0015 モノラルシステムでアナログを楽しむ(2015.07.12.

ヴィンテージジョインのキヨトマモル氏による「モノラルシステムでアナログを楽しむ」というイベントをウチのカフェで開催した。正直なところ、自分にはもう分からない領域である。オーディオのコアな部分で繋がっている皆さんに、半日フルに楽しんでいただいたという印象だ。自分はオーディオにあまり金をかけず、一枚でも多くレコードを買うことを選んだ人間である。潤沢に資金があれば、オーディオにも金をつかいたいとは思うが、やり始めると、建物からいじりたくなる。壁の素材などに拘って金をかける気にはならなかったといったところでもある。

 

これまで、モノラルとステレオの音の違いに拘ったことすらなかった。モノラルの時代のものはモノラルで聴きたいといった程度だ。これはアナログとデジタルでも同様に考えていた。デジタル時代の音源はデジタルでいいと思っていたのだ。しかし、これに関しては、やはりアナログのほうがいいという判断を早々に下してしまい、アナログでは手に入らない音源はデジタルで聴くしかないといった方針に切り替えた。アナログで聴けるものはできるだけアナログで揃えたので、傍から自分のコレクションを見ると、新しい音源がアナログで揃えてあるように見えるようだ。そんな自分の店でモノラルのイベントだ。果たして適所だったのだろうか。

 

キヨト氏が持ち込んだスピーカーはバウアーというメーカーの、その昔映写機と一緒に持ち運んで使われたものらしい。小さなベースアンプのようなしっかりした箱に10インチのスピーカーが一つ入っている実にシンプルなものである。箱の後ろは開放型である。箱の鳴りで低音もだせるそうだが、想像を絶する低音にもうテスト段階で絶句してしまった。普段使っているJBLのスピーカーとは明らかに違った鳴りである。しかも広がりがあるところはもう不思議でならない。部屋を鳴らすという発想で作られているということだが、部屋のどこで聴いてもしっかり聞こえることが、不思議さを倍加してくれる。

 

ちなみにオーディオのイベントというものに参加したことがほとんどなかったので、驚いてしまったのだが、音源はいろいろなジャンルのもので鳴らしていた。普段ウチではかからないような古い日本人女性のヴォーカルものなど、様々な音源を試していた。あまりの多彩さに呆れてしまうほどだ。最初の音出しはキヨト氏のジョージ・ベンソンだったが、いきなりご指名がきたので、取りあえず自分にとってのレファレンス盤のような存在のエディ・ゴメス「パワー・プレイ」のA面2曲目「ロコ・モーティヴ」をかけていただいた。不思議と広がる音、ベースの高い音が軽やかでまとまりがある。この盤は1987年のものなので、録音自体がかなりよいと思われる。さて皆さんにはどう聞こえたのやら…。

 

皆さんが持ち寄った様々なジャンルのものをかけながら、14時スタート21時終了のイベントが、あっという間に終わったような印象だった。皆さんご満悦といった表情が観てとれたので、こちらも嬉しくなってしまった。もちろん売上げも記録的なものになったが、如何せん暑い日だった。いい音を浴びながら飲むビールは美味しかったことだろう。ちょっと羨ましい。ジャンルを縛らなくても結構楽しめることが知れたことは、大きな収穫だった。こうやって集まれるカフェはなかなか無いのだそうだ。それなら是非ともご利用いただければと思う。今後もこういったイベントはやっていきたいなと思う。

 

 



         
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