0022 メディアの現在(2015.08.29.

別に表現の自由に対する制約などといった、こ難しいことを書くつもりはない。昨今の暴走気味な与党と全く魅力を感じない野党のいずれにもウンザリしているので、安保関連法案に関するコメントを発するつもりもない。自分はあくまでもただの音楽好きであり、中道ノンポリである。メディアなどというと、テレビや新聞などのマスメディアと勘違いされてしまうことも多い。辟易とする。システム関連の仕事をしていた時分は、メディアというと記録媒体を指し示す言葉だった。懐かしい。

 

単にメディアと言った場合、情報の記録、伝達、保管などに用いられる物や装置ということになるらしい。媒体という訳語があてはまるようだが、伝達手段という意味合いが強くなってきているのだろう。

 

ホンの15年ほど前までは、インターネットが生活の中にこれほど入り込んでくるとは想像もできなかった。10年前でも、音楽を聴くという行為にまで影響を及ぼすことになるとは考えていなかったと思う。パソコンが一気に普及したのは、マイクロソフトのWinodws95がリリースされてからだと思うが、98からMeになる頃には携帯電話も一般的になっていたし、自分の周辺ではパソコンが一人一台に近づきつつある状況だった。当時はまだインターネット上の情報は量も多くなかったし、質も大したものではなかった。インターネット上の情報が正確なものかどうか確認するのに苦労したものだ。音楽に関しては、自分でデータベースを作っていたこともあり、2006年頃までは、インターネットの情報に頼らなくても下町音楽夜話が書けていた。レコードのクレジットを読むことが好きで、それを全てデータ化していたため、自分のデータベースの方がより詳しい情報を含んでいたのである。

 

自分の場合、ウェブページ制作も2000年頃に始めていたので、それなりに早いほうだったと思う。区内中小企業の支援が仕事だった時期に、ホームページを作りなさいという手前、自分が作れないわけには行かなかったのだ。まだ会社のホームページがあることが当たり前ではなかった時代である。個人で情報発信したいと思う人間は、圧倒的に少数派だった。BIGLOBEやぷららやSo-netなどの配下にあるページではなく、オリジナル・ドメインを取得して会社のページをつくるという一連の作業が、当たり前ではなかった時代である。自分は音楽情報、猫情報、クルマ情報などいろいろ発信していたのだが、ブログなどという言葉が生まれる何年も前から日記サイト形式で発信していたので、わりと時代を先取りしていたのだろう。SNSの時代になって、ブログも表現手段としては古い方になりつつあるようだ。増してや、HTMLで静的なホームページを作ることに関しては、「なぜそんな面倒くさいことやっているの?」と言われてしまう時代になってしまったらしい。

 

そんな時代だからか、今週半ば、契約していたレンタル・サーバのサービスが終了してしまい、新な環境に一方的に移行されてしまったのである。静的なサイトのデータは自動的に移行しておいたというので安心していたが、ネームサーバの書き換えなどといった面倒な作業は一つ一つやらないといけなかったし、移行されていたデータは3週間も前のものだった。どエライ面倒な作業に3日も割くハメになり、メーラーも含め、完全に元の状態に戻せるまで、まだしばらくかかりそうだ。このongakuyawa.comというサイトも、しばらく閲覧できない状態になっていたはずだ。(申し訳ありませんでした。)

 

会社のホームページが閲覧できないということは、15年前ならどうでもよいことだったかもしれない。5年前ならそれこそ大騒ぎだったかもしれない。それが、昨今、またどうでもよいことになってしまったようだ。多くの情報はSNSなどで伝達、頒布され、瞬時に意思形成、意思統一がなされるらしい。自分の周囲でも、フェイスブック上でほとんどの情報が伝達、配布され、個人的なコミュニケーションは、メールよりもメッセンジャーやLINEでやりとりされる。メールも時代遅れになるときが来たらしい。何だかもうついていけないような気がしてしまう。

 

音楽を聴くとき、メディアがアナログ・レコードかCDかで音が違うだの、思い入れが違うだのと言うことも、時代遅れになってしまったようだ。クラウド的にインターネット上のデータを再生することを考えれば、パッケージ・メディアとしてのLPやCDを所有しているか否かなど、どうでもいいことになってしまったらしい。LPよりも7インチ・シングルの方が音圧が高いだの、音がいいだの、別テイクだの、どうでもいい世界になったということか。…いやいや、カンベンしてくれ。音楽はそういうものではないぞ。いまだにオリジナル盤を探し求めているマニアックな人種もいれば、ジャケットのよさが忘れられない人種もいる。音楽はそんなに単純な趣味ではない。今の時代だからこそ、「ホテル・カリフォルニア」のジャケットが飾りたくて、買い求めて行かれる方のほうが正しい行動のように思えるのは、自分が天邪鬼だからか…?

 



         
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