0026 ミュージシャンの命日はBGM特集で偲ぶ(2015.09.26.

音楽好きがカフェを持ったら、皆が考えるであろうことだろうが、BGMの選曲にこだわることがイチバンの楽しみだろう。オーディオ・セットは一度購入すると、調整することはあっても、そうそう買い換えられない。やはり選曲だ。季節的に合うもの合わないものもあれば、時間帯やお天気でも聴きたくなるものは異なってくるし、そこはさまざまだ。最近は、カフェに限らず、ジャズを流している空間が多いこともあり、ウチのお店では古いロックが中心となっている。ヒップホップ系が好きなスタッフもおり、自分が店に居ないときは任せているので、また違った雰囲気になっていることだろう。

 

先般は、「レイト・サマー・セレクション」などと銘うってイベント的に晩夏に合う曲を流していた日もあるが、ここにきて気温が下がってきたことで、やはりかける曲が変化してきた。現代ブルーノートのホセ・ジェイムスなどが定番となりつつあるが、やはり夜はジャズがいいなと思うことが多くなっている。ロックはビールを飲みながら、というお客様も多いし、そのことに納得も行くが、ジャズはアルコールにも合えばホット・コーヒーにも合う。カフェ向きであることは確かだろう。BGM縛りのイベントを打つのは確かに面白いが、イベントとまで頑張らなくとも、日がな一人(一組)のミュージシャンを流し続けることは、面白くもあり、ラクでもある。あまり考えないで済むので、実際に時々やっている。昨日はスティーリー・ダンだったから今日はドゥービーズといった按配だ。

 

実は9月は好きなミュージシャンの命日が多く、BGMイベントとしてやろうと思っていたのだが、なかなか実践できていない。来週月曜日が最後のチャンスなので、その日だけは自分が在店する時間帯だけでもやるつもりだ。そう、月曜日9月28日はマイルス・デイヴィスの命日なのである。HDDプレイヤーに何百曲か入っているが、できる限りアナログ盤で流すつもりである。マラソン・セッションを一気に聴くもよし、「カインド・オブ・ブルー」のモノラル盤とステレオ盤を聴き比べるもよし、エレクトリック・マイルスも大好きなので、時間が足りなくなりそうだ。

 

9月の命日として記憶しているミュージシャンを挙げると、その多さに驚かされる。9月の6日はニッキー・ホプキンスにCCRのトム・フォガティ、7日はザ・フーのキース・ムーンだ。11日がピーター・トッシュ、16日がTレックスのマーク・ボラン、18日がジミ・ヘンドリックスである。19日がグラム・パーソンズ、20日がジム・クロウチ、22日がジャコ・パストリアス、25日がレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナム、27日がウィングス等にいたジミー・マックロウ、そして28日が前述のマイルス・デイヴィスとなる。自分がBGM特集を組めそうなミュージシャンの命日がこれだけ集中しているのも何だかと思う。

 

10月4日のジャニス・ジョプリンも近いので忘れられないが、季節の変わり目で体調を崩しやすいのか、嬉しくない季節である。その後、年末にかけてはいくつか忘れられない日がある。10月20日はレーナード・スキナードの飛行機事故の日で、ロニー・ヴァン・ザントとスティーヴ・ゲインズが亡くなっている。10月29日はデュアン・オールマン、11月24日がフレディ・マーキュリー、11月29日がジョージ・ハリスン、12月4日がトミー・ボーリンとフランク・ザッパ、12月8日はジョン・レノンといったところだ。

 

65歳で亡くなったマイルスはいいとしても、ロック系のミュージシャンは短命であることが気になる。ジャズ・ベーシストであっても、ジャコ・パストリアスは生き急いだような人生であったことは誰もが認めるだろうから致し方ないが、ロック・ミュージシャンも命がけで音楽をクリエイトしてきたような生き様が忘れ難い連中ばかりだ。年に一度くらいは畏敬の念をこめて特集させてもらうのもよさそうだ。

 

 

 



         
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