0033 12インチ盤の情報が欲しい(2015.11.15.

自分の情報源はラジオのJ-WAVEとアマゾンやHMVのニュー・リリースといったところで、特別なものは何もない。マメに新譜情報をチェックして、漏らさないようにしていれば、アマゾンは初回ロットが随分安く購入できるようだ。どのみち好き者なので、情報検索をしていて飽きるということはない。相変わらず古いミュージシャンの古い音源が相当数リリースされている現状はいかがなものかと思うが、売れなければ古い音源もリリースされないだろうから、ある程度は売れているのだろう。特別にリマスター音源に興味があるわけでなし、かといってオリジナル志向が強いわけでなし、安く買えればいいというところもある。何度も書いていることだが、一枚でも多く聴きたいので、安いということは自分にとって重要なファクターなのである。

 

自分が現在保有している多くの盤は、アナログ・レコードがCDに駆逐された頃に安売りされていたものを、かなり頑張って買い集めたものである。できるだけ状態のいいものを安く手に入れたかったので、随分マメに動き回っていたように思う。それでも、その頃買っていたのはLPが中心で、7インチのシングルなどはあまり手を出していなかった。時々ロクに収穫がなかったときに、思い切り安売りされている7インチ盤をひやかして、好きな曲があれば買っておくかと言う程度にとどめていた。12インチは一生懸命集めていたが、思ったほど成果は上げられなかった。今でも人気があるようだが、昔から12インチは手に入れるのに苦労した。そもそも12インチは情報自体が少なかった。アルバムとシングルは雑誌でも紹介され、情報が入ってきたが、12インチはレコード店に行ってたまたまあれば手に入るといったところで、どんな曲の12インチが出ていたか、いまだに満足できる情報が得られているわけではない。

 

12インチも7インチも、結局のところアルバム・バージョンとは別のテイクがお目当てだったりするが、自分の場合は特にロング・バージョンが欲しかった。その一方でダンス・ミックスは好きではなかった。今となっては笑い話のような盤がいっぱいあった。1980年代はヘヴィメタも随分チャートを賑わせていたが、そんなものまでダンス・ミックスが存在したのだ。一体誰が聴くのかと訝しく思ったものだ。またドッケンあたりの聴き易いメタルにはAORミックスも存在した。リズムを強調し過ぎて、オリジナルのよさをぶち壊しているテイクも多かった。

 

一方で、ハワード・ジョーンズやフィル・コリンズ、そしてホール&オーツあたりには、楽しめるリミックスが多かったという記憶もある。「12インチャーズ」という12インチ盤に収録された別テイクを集めたCDがリリースされていたりする。もちろんダンス・ミックスだらけで決して好きなものではないが、好きな曲のロング・バージョンが含まれていたりするので、ついつい買ってしまった。意外に貴重なものもあり、実際に中古盤市場では結構高値が付いていたりする。アルバムのジャケット・デザインを少しいじってあるようなジャケットがあるものは、また楽しいではないか。

 

前期ウルトラヴォックスのフロントマンだったジョン・フォックスに一時期ハマっていた。ウルトラヴォックスは前期も後期も大好きで、ジョン・フォックスのソロも夢中になって聴いていた。ロンドンのニュー・ウェーヴから派生したニュー・ロマンティックスと呼ばれていた連中がみんな好きというわけではないが、ウルトラヴォックスやスパンダー・バレエ、デュラン・デュランなどは大好きだった。そしてこの連中がまた滅多やたらと12インチ盤をリリースしてくれたのだ。ジョン・フォックスも御多分に漏れず、いろいろ出してくれた。中でも「エンドレスリー」という曲の12インチ盤は、いまだに自分にとってのかなり重要なお宝となっている。

 

「エンドレスリー」は1983年にリリースされた「ザ・ゴールデン・セクション」というアルバムに収録されていた曲だが、この曲の12インチ盤は1985年リリースの「イン・ミステリアス・ウェイズ」のジャケットをモチーフにしたデザインを持っている実に不思議な盤なのである。また後にCDのボーナス・トラックとして「エンドレスリー」の12インチ・バージョンが収録されているが、どう聴いても別物なのである。自分は12インチ盤の腰の強いリズムが協調された「エンドレスリー」が大好きだったのだが、他のテイクはどうも消化不良のように感じてならないのである。

 

現代のようにインターネットで多くの情報が得られる時代になっても、この辺の事情はよく分からない。たまに中古盤店で12インチの箱を見かけるが、ジャケットのない盤が多い12インチの箱を見ることは、今の自分の眼には苦痛以外の何物でもないので、必然的にパスしてしまうのである。せめて自分の手元にある12インチ盤の情報だけでも知り得たらと思うのだが、なかなか難しいのである。ちなみに「12インチャーズ」のCDは、いずれも満足できる情報が得られる代物ではない。何とかして欲しいものだ。

 


 

         
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