0040 京都レコード探索記(2016.01.02.

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお付き合いのほど、お願いいたします。

 

年末は、ここ数年我が家の年中行事のようになっている、京都旅行に行ってきた。毎年無理なスケジュールであることを承知の上で、新幹線の指定席とお宿は11月に申し込んでしまう。結局もったいないから無理してでも行ってしまうのだが、年によっては前日まで「無理かも」と諦め気味だったこともある。今回、売上のことを考えれば年末年始にお休みしている余裕はないと分かっていたが、何はともあれ、リセットしたかったのである。自分のペースを取り戻すためにも、どうしても必要な時間だったと思う。毎度特に理由もなく、初日は清水寺で今年の漢字を見た後に夕日を眺め、今年も来ることができたことを感謝することにしている。それ以外は特にお決まりのコースもない。体調次第で動き回ることもあれば、町中でノンビリしていることもある。古い建物を見ることが好きなので、ついつい町中をぐるぐる歩き回って疲れていることが多い。

 

今年は初日に街歩きついでに市役所のすぐそばにある100000tというレコード屋を覗いたところ、思わぬ収穫に遭遇し、いきなり荷物が重くなってしまった。さすがにLPを買うつもりはなく、7インチ盤の箱しか見ていないが、あの値付けならLPも見てみたかったと少々心残りだったりする。如何せん状態のいいブツに信じられないような安価の値札がついている。何せレッド・ツェッペリンの「ブラック・ドッグ」のシングル盤が千円ちょっとで売られている。スリーブもほとんど皺がない美品である。ウェブ上でそういった値段が付けられていることもないわけではないが、これほど状態がいいとは思えない。東京の某店などスリーブ無しで5千円以上といった値段である。そもそもLPで聴くことが当然となっていたバンドである。シングル盤を買うのは、よほどのファンかコレクターだけだったのではなかろうか。

 

自分の場合も、7インチ盤を買うのはヒット・チャートを賑わせたポピュラー・ミュージックが中心だ。ロック・バンド、それもブリティッシュ・ハードやプログレッシヴ・ロックは7インチ・シングルを見かけること自体少ない。CDに切り替わってしばらくの間は、アナログ盤が投げ売りされていた。自分のLPコレクションはその時期に安価で買い集めたものが中心だが、あの頃7インチ盤に少しでも興味を持っていたら、好きなバンドのものだけでも買い集めていただろうにと悔しく思うこともある。絶対にアナログ盤の方がいいと思ってLPを買い続けていただけに、シングル盤まで手が回らなかったといったところが正直な感想である。

 

もちろんそれでも、アメリカン・ロックなどは買い集めていたものがあり、今となっては貴重なコレクションを構成する一部となっている。その一方でビートルズには興味がなかった。そもそもが21世紀になって、「1」でビートルズを聴き始めた人間である。ビートルズに関しては全て後追いである。シングル盤は状態のいいものが少なくなってきたが、時々安いと思えるときに買う程度で、さほど真面目に集めているわけではない。それでも玉数が多いからか、ある程度は集まってくる。今回の京都では「プリーズ・ミスター・ポストマン」と「ジョンとヨーコのバラード」が手に入った。3ケタの値段である程度の状態であれば、この辺の曲なら買いだろう。「ジョンとヨーコのバラード」は好きな曲でもないが、この連中の場合、状態のいいものがあれば買いといった程度である。

 

今回嬉しかったのは、ビー・ジーズの「若葉のころ」のとびきり状態のいいものが入手できたことだ。日本では特に人気のある曲で、「メロディ・フェア」のカップリング曲にもなっていた。70年代後半「サタデイ・ナイト・フィーバー」の大ブームで人気者になったビー・ジーズは皆短命だった割りに息の長いグループで、60年代から70年代前半の美しいバラードには名曲が多い。「若葉のころ」もその一つだ。「マイ・ワールド」のように日本だけでヒットした曲もあるほどで、彼等の歌うメロディは日本人の琴線に触れるところがあるように思う。

 

アルバート・ハモンドのデビュー曲「ダウン・バイ・ザ・リバー」も頗る状態のいいものが手に入った。「カリフォルニアの青い空」や「落ち葉のコンチェルト」などは中古盤店で見かけることは多いが、それ以外の曲となると意外に見かけない。来日記念盤として再発されたもののようだが、リアルタイムで大好きだった曲だけに、非常に嬉しいのである。東京ではブームのように人気状態が続いているので、7インチ盤の価格は高騰しっ放しである。京都にはまだ7インチ・ブームの波は届いていないらしい。ジャズのLPなどは一概に安いとは言えない値段になっているし、玉数も意外に豊富である。人気はあるのだろう。そもそも京都のレコード店の多さは博多といい勝負ではないのか。個人経営的な小規模店舗の多さは尋常ではない。何とか経営が成り立って、しばらくは続けていて欲しい店ばかりなのである。今回グーグル・マップ片手に訪ねていったヴァイナル7という店はどうしても見つけ出すことができなかった。是非とも次回再挑戦してみたいが、頼む、それまで無くならないでいてくれ!

 

 



         
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