0054 「羨望1974」終了(2016.04.09.

音楽とトークのイベント「羨望1974」が終了した。今回も10人ほどのお客様が参加してくださった。1974年にリリースされた曲や1974年のヒット曲をかけまくり、トリヴィアから世相まで様々な話題を散りばめながらの3時間だった。皆さんそれぞれ楽しんでいただけたようで、実にいい雰囲気に包まれた。当日の気分でプレイリストを決めるので、終わってみてスティーヴィー・ワンダーをすっかり忘れてしまったことに気がついたり、ブレブレな内容だったりするが、如何せん3時間でも時間が足りない印象で、アッと言う間に終了するほど自分自身が楽しんでいる。資料作りなど大変だろうと言われるが、それすら楽しくてしょうがない。ちょっとでも引っかかる言葉があれば調べるようにして関連資料を蓄積しているので、自分の記憶も整理されるし、新たな発見もある。温故知新というわけではないが、歴史は繰り返されるということや、最近のヒット曲のルーツが見えてきたり、いろいろ楽しいことだらけである。このイベントは本当にやって正解だった。

 

プロジェクターではYouTubeで検索して見つけた古いCMなどの映像を流していたので、これを眺めていただけでもある程度は楽しめるが、相当作りこんである資料の方を見ながら、皆さん結構盛り上がってくれた。資料はビルボードやオリコンの年間ヒット曲ランキングやアルバム・ランキング、公開された映画の一覧や受賞映画の一覧、興行収益ランキングなど、盛り沢山だ。一般的な世相を見るために社会事象の年表もつけてあるし、今回はNHKのヤング・ミュージック・ショーの放映された内容の一覧なども資料化してみた。また1974年のヒット曲に関する下町音楽夜話のコピーも、厳選して2本を打ち出しておいた。今回は前年にリリースされた「グッバイ・イエロー・ブリックロード」にまつわるものである。

 

イベントは土曜日の午後1時にスタートした。前回もクイーンの元気な曲から始めたので、今回もディープ・パープルの「紫の炎」から口火を切り、続けてパイロットの「マジック」へ繋げた。ベイ・シティ・ローラーズを脱退し、短命ではあったがパイロットではヒット曲を連発し、その後はアラン・パーソンズ・プロジェクトに合流する連中であることを紹介した。ここで趣を変えテリー・ジャックスの「そよ風のバラード」で少し落ち着き、年間チャートを眺めながら、意外にブラック・ミュージックが多いことに絡め、ラヴ・アンリミテッド・オーケストラの「愛のテーマ」、MFSBの「TSOP(ソウル・トレインのテーマ)」、クール・アンド・ザ・ギャングの「ジャングル・ブギー」と3連発である。

 

ここからは音楽の旅だ。ローカル色の濃いものとして、ウェット・ウィリーの「キープ・オン・スマイリン」、ジャジーなヒット代表としてのハービー・ハンコックの「ウォーターメロン・マン」、さらにはカナダからバックマン・ターナー・オーバードライブの「仕事に御用心」(ひどい誤訳であることも紹介した)、同じくランディ・バックマンも在籍していたゲス・フーの「クラップ・フォー・ザ・ウルフマン」と続けた。ロングラン・ヒットを続けていた「アメリカン・グラフィティ」にも登場するウルフマン・ジャックは、当時結構な人気者だった。さらにはキリスト教音楽も年に一曲くらいは大ヒットするということで、シスター・ジャネット・ミードの「永遠の祈り」の清々しい声を聴いた。自分は子どもの頃、この曲をプログレッシブ・ロックだと勘違いしていたことを紹介しつつ、ピンク・フロイドの「マネー」、恐怖映画「エクソシスト」のサントラから「チューブラー・ベルズ」をかけて前半終了となった。

 

休憩後は映画繋がりで、大人気だったドラゴン・シリーズの「吼えよ、ドラゴン」からカール・ダグラスの「カンフー・ファイティング」、そしてモーリン・マクガバン「タワーリング・インフェルノ 愛のテーマ」で再開である。再度人気だったサザン・ロックの代表としてレイナード・スキナードの「スイート・ホーム・アラバマ」をかけ、さらにレイドバックしていた時期のエリック・クラプトンの名盤「461オーシャン・ブールバード」から「アイ・ショット・ザ・シェリフ」、さらにその原曲、ボブ・マーレイ&ザ・ウェイラーズのバージョンも聴いた。これは案外面白い聴き比べとなった。ここでレゲエを世に知らしめたクリス・ブラックウェルと彼のアイランド・レコードの凄さに触れ、またスティーヴ・ウィンウッドの人脈で繋がることまでを紹介した。

 

その後は英国方面で、相変わらず青盤赤盤が売れ続け、人気を維持していたビートルズの面々の曲だ。ポールは「バンド・オン・ザ・ラン」、ジョンが「真夜中を突っ走れ」、ジョージは「ディン・ドン」である。さらにはローリング・ストーンズの「エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ」、そして全盛期と言っても過言ではないエルトン・ジョンの「ベニー・アンド・ザ・ジェッツ」。ラストに用意していたのは、先日亡くなったキース・エマーソンの追悼ということで、ELPの「エルサレム」で終了となった。そして今回もおまけの一曲がある。当時人気絶頂だったスージー・クアトロの「ワイルド・ワン」である。元気に終わるのも悪くない。

 

さらに今回もアフター・アワーズに突入である。ファンシーの「ワイルド・シング」はエロ過ぎて少々躊躇したが、その場ではさほど問題なしということだった。そこからジェフ・ベックの「ワイルド・シング」「ユー・ノウ、ウィー・ノウ」そして、「ツインズ」のサントラからもジェフ・ベックで「トレイン・ケプト・ア・ローリン」等を大音量でかけ続けた後、三々五々解散となったのである。いやあ、楽しかった。思い切り疲れたが、これだけ楽しかったら止める理由にはならない。来月は「知足1975」、5月14日土曜日である。乞うご期待!

 



         
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