0063 「混淆1976」終了(2016.06.12.

音楽とトークのイベント「混淆1976」の1回目が終了した。今回も1976年のヒット曲や1976年にリリースされた曲をかけまくった。3時間がアッと言う間に過ぎてしまう。やっている方も楽しくてしょうがないものなのである。参加してくださるお客様同士も、さすが音楽好きといったところか、随分盛り上がっていらっしゃる。有り難いことである。とりあえず1973年から1976年までの4年間を4カ月かけてやってきたわけで、当初のお約束は何とか実現できた。結局楽しいのでこのまま続けていくことになりそうだが、80年代以降はミュージック・クリップでないと面白くないだろう。どうしてもアナログで鳴らしてどうのという時代ではない。せいぜいで70年代、バグルスの「ラジオスターの悲劇」で終わりという辺りがいいところだろう。

 

今回はどうしても納得できない鳴りの盤があり、前日になって新しいカートリッジを組み上げることになってしまった。結局SHUREの音が好きということか、実にロックな鳴りになって納得はしたが、如何せん、使い慣れない。若干の準備不足感を引きずりながらイベント突入となってしまった。土曜日の午後1時からという時間設定のせいもあるのか、お客様が集まり始める。昨日の参加者数はあまり多くなかったが、さほど問題はない。12時すぎから、76年縛りに入った。まずはバッド・カンパニーの「ラン・ウィズ・ザパック」から「リヴ・フォー・ザ・ミュージック」とコースターズのカヴァー「ヤング・ブラッド」だ。ミック・ラルフスのギターが引き締まったいい音で鳴っている。ソウル系やデヴィッド・ボウイの「ゴールデン・イヤーズ」あたりで懐かしい気分が盛り上がる。リンゴ・スターの「恋の特効薬」で本番の時間となった。

 

本番の一曲目はジェフ・ベックの「レッド・ブーツ」である。始めた途端に、立てかけてあったレコード・ジャケットがターン・テーブルを直撃するという事故に見舞われ、仕切り直して再スタートとなってしまった。針は無事だったようだ。続けて年間シングル・チャートの1位「ポール・マッカートニー&ウィングス「心のラヴ・ソング」、2位エルトン・ジョンとキキ・ディーによる「恋のデュエット」、そしてあまり知名度が高くないキキ・ディーの74年のヒット曲「アイヴ・ガット・ミュージック・イン・ミー」を紹介した。またエルトン・ジョンがらみで映画「トミー」から「ピンボールの魔術師」も聴いてみた。エルトン・ジョンの全盛期である。さらに映画繋がりではジグソーの「スカイ・ハイ」、実に懐かしい曲である。ここらから資料を見ながら少し時代背景に触れた後、オリコン・チャートから異例の洋楽ヒットとなったジャニス・イアン「ラヴ・イズ・ブラインド」、邦楽代表荒井由実「あの日にかえりたい」、そしてこちらも荒井由実作詞・作曲のバンバン「いちご白書をもう一度」も聴いてみた。懐かしい。

 

一旦サントラ系に戻り、リズム・ヘリテイジの「S.W.A.T.のテーマ」、トム・スコット「タクシー・ドライバーのテーマ」、C.W.マッコール「コンボイのテーマ」と続けた。この年公開された映画は猛烈な数に上り、かけたい映画音楽はいっぱいあるのだが、泣く泣くこの辺にとどめておいた。この後は、ポール・サイモン「恋人と別れる50の方法」、ホール&オーツ「サラ・スマイル」といった時代を代表する名曲が続く。さらにはどういうわけかライヴ盤が大ヒットした元ハンブル・パイのピーター・フランプトン「ショー・ミー・ザ・ウェイ」、そして元○○ということでこじつけて元スプーキー・トゥースのゲイリー・ライト「夢織り人」と聴いた。いずれも懐かしい名曲群である。さらにははロックな年ということで、クイーン「ボヘミアン・ラプソディー」、エアロスミス「ドリーム・オン」「ウォーク・ディス・ウェイ」、ナザレス「ラブ・ハーツ」、ドゥービー・ブラザース「テイキン・イット・トゥ・ザ・ストリーツ」と続けたところで、御三家のキッスがないというリクエストから、「狂気の叫び Shout It Out Loud」も急遽かけることになった。途中アメリカ市場を意識するということのサンプルとして、スイートの「フォックス・オン・ザ・ラン」のシングル・ヴァージョンとLPヴァージョンの聴き比べもやってみた。案外面白かった。

 

後半はヒット曲を続けて流すようなスタイルになる。年末にリリースされた大名盤「ホテル・カリフォルニア」からの第1弾シングル、イーグルス「ニュー・キッド・イン・タウン」、大ヒット盤「水の中の妖精」からオリビア・ニュートン・ジョン「ジョリーン」、名盤「鷲の爪」からスティーヴ・ミラー・バンド「フライ・ライク・アン・イーグル」、ブラック・ミュージック代表はKC&ザ・サンシャイン・バンド「ザッツ・ザ・ウェイ」、スティーヴィー・ワンダー「サー・デューク」そして「イズント・シー・ラヴリー」、初期とはまるで別のバンドになってしまったシカゴ「愛ある別れ If You Leave Me Now」、そしてこの年メジャー・デビューとなったハート「ドリーム・ボート・アニー」、滋味深い「ノー・リーズン・トゥ・クライ」からエリック・クラプトン「ハロー、オールド・フレンド」、ミック・テイラーが抜けロン・ウッドが加入したローリング・ストーンズは「愚か者の涙」など、まさに名曲のオン・パレードである。

 

そして最後の一曲として今回選んだのはヤマシタ・ウィンウッド・シュリーヴ「虹の風 Crossing The Line」である。クラシック畑のパーカッショニスト、ツトム・ヤマシタが、スティーヴ・ウィンウッドやサンタナ・バンドのマイケル・シュリーヴ等をフィーチャーしてつくったプロジェクトGOの大名曲である。プログレッシヴ・ロックともいうべきスタイルで、スペーシーな音が何とも魅力的だ。混沌としたノイズの中から立ち上がる美しいメロディを歌うウィンウッドのヴォーカルが素晴らしい。ここらで4時をまわり、心地よい疲れと共にお開きである。自分自身が楽しんでいるので今は続けられるが、資料作りなどに膨大な時間を割かれることもあり、いつまで続けられるかはお約束できないが、もう少しは続けるかと思っている。先週から毎週火曜夜のBGM縛りのイベントも始めたが、音楽好きがカフェをやるのであれば、このくらいのお楽しみがあってもいいだろう。

 



         
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