0076 Late70s 1978-802016.09.11.

昨夜は恒例のトーク・イベントの開催日だった。カフェで運営している下町文庫という古本屋さんの集合体で新店舗のオープンもあり、朝一から動き回っていたため、18時のイベントがスタートする時点でもう体力が尽きてしまいそうな状態だったが、何とか開催にこぎつけた。始まってみれば満席状態で、このイベントを開始した当初、3月ごろのガラガラ状態とは大分様相が異なる。特に今回は初回から毎度参加されている常連さんたち数人が参加できないという情報もあり、まったくもって予想外の展開となってしまった。例によってプレイリストは固めず、最初と最後だけは方針を決めて、その他は100曲程度の候補から、気分+参加者さんの好み等を反映して、話の流れを作りながら曲をかけていくわけで、「我ながらようやるわ」と思う。段々慣れてきたからか、昨夜は40曲もかけられたことに驚いた。

 

如何せん「Late70s」、1978年から1980年の3か年がテーマである。パンク~ニュー・ウィーブのブーム期、まさに新旧交代期といった様相が年間チャートに色濃く反映している。産業ロックとは思わないが、旧勢力も頑張っている中、サタデイ・ナイト・フィーバーを象徴とする大ディスコ・ブーム、まさに雨後の筍状態のニュー・ウェーブに混じってピコピコ・テクノもあればフュージョン系も頑張っている。百花繚乱、実に面白い時期である。本来なら1年ずつ丁寧にやりたい気もしないではないが、自分の好みが大きくブラック・ミュージックから離れた時期でもあり、語れるが語る資格がないという気がしており、こういうかたちになってしまった。

 

当日のかけたい候補曲が約100曲、その内いつでもかけられるように準備したものが約60曲、頑張って40曲かけたが、準備した曲が30曲ほど残ったわけで、10曲は当日のリクエストだったり、持ち込んでいただいたレコードだったりといったところである。参加者の様子を見極めて、今回は思い切りロックに振った選曲となったが、終わってみれば、皆さん楽しめたと言っていただけたので、一安心である。

 

スタートは、個人的にも新時代の幕開け、ウルトラヴォックスの「スロー・モーション」の暴力的な低音である。実に気持ち良い音で鳴る。続いて渡辺香津美「ユニコーン」、YMOの「テクノポリス」と、いきなり日本勢連発である。それまでとはまった違った音世界になった象徴である。ブロンディ、リッキー・リー・ジョーンズ、パット・ベネターなど様々なタイプの女性ヴォーカルを聴きながら、耳タコ・ランキングの1位というクイーン「ウィ・ウィル・ロック・ユー」なども聴く。懐かしい。また、ウチでディスコっぽいものをかけてもしょうがないと思いつつ、時代を色濃く反映した音ということで、その辺をローリング・ストーンズ「ミス・ユー」に代弁してもらった。また、年表にも記載したレインボーの札幌公演での死亡事故を受け、コンサートの警備が強化されたことなども紹介しつつ、「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」も大音量で鳴らした。いやはや気持ちよい。まずは、順調な滑り出しとみた。

 

次に新時代の音としてゲイリー・ニューマン「カーズ」、リップス・インク「ファンキー・タウン」、バグルス「ラジオ・スターの悲劇」を続けてかけ、何故ヒットしたのか分からないと言いつつナック「マイ・シャローナ」、キッス「ラビン・ユー・ベイビー」、ピンク・フロイド「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール・パート2」と続け、曲がよければライヴでも売れるとチープ・トリック「甘い罠」、さらにはパフィーもカヴァーしたELO「ドント・ブリング・ミー・ダウン」などロック寄りの選曲が続いた。

 

次はどうしても紹介したい自分の大好きな曲として、ジェリー・ラファティ「霧のベイカー街」、コーギス「エブリバディズ・ガット・トゥ・ラーン・サムタイム」の2曲をかけた。ここで大事なお客様の持ち込みレコード、ブームタウン・ラッツ「アイ・ドント・ライク・マンデーズ」をかけ、さらにバラードを続けようということで、ロッド・スチュワート「胸につのる想い」、J.D.サウザー「ユア・オンリー・ロンリー」、ドゥービー・ブラザーズ「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」、ランディ・ヴァンウォーマー「アメリカン・モーニング」と名曲群を披露、さらにはフュージョン系の大ヒット、ハーブ・アルパート「ライズ」、スパイロ・ジャイラ「モーニング・ダンス」、さらにサックス繋がりで印象的なイントロのニコレット・ラーソン「ロッタ・ラブ」、そして大名盤「エイジャ」からスティーリー・ダン「ペグ」を披露した。ここらは必須だろう。

 

ここからはオリコン・チャートも見ながら日本人のヒット曲だ。久保田早紀「異邦人」、ゴダイゴ「モンキー・マジック」、大橋純子「たそがれマイ・ラブ」、沢田研二「TOKIO」という、リクエスト中心の選曲となった。終盤はやはりリクエスト中心で、ザ・ポリース「孤独のメッセージ」、アース・ウィンド&ファイヤー「アフター・ザ・ラヴ・イズ・ゴーン」、マイケル・ジャクソン「ロック・ウィズ・ユー」、プリテンダーズ「ブラス・イン・ポケット」といったところで、残り15分、締めの時間である。今回は逮捕騒ぎで日本公演が中止になったポール・マッカートニー&ウィングス「ロケストラのテーマ」を紹介したところにつづけ、1980年12月8日の悲劇を受け、ジョン・レノン&ヨーコ・オノ「スターティング・オーヴァー」、そしてやはり80年に亡くなったジョン・ボーナムを悼み、レッド・ツェッペリン「フール・イン・ザ・レイン」でイベント終了となった。

 

懐かしい音楽は、いろいろな記憶とリンクして、一層心地よく響く。楽しかった思い出ばかりではない方もいらっしゃるかもしれないが、たまにはいいものだ。話が終わらないと言った風情のテーブルもあれば、呆然としている方もいる。想い出に浸っている風情の方もいれば、資料の内容の質問をしてくる方もいらっしゃる。レッド・ツェッペリンで賑やかに終わり、余韻に浸る雰囲気ではなかったので、「宴のあとは静かな曲でも」と言いつつ、ヴァン・ヘイレン「暗闇の爆撃~ユー・リアリー・ガット・ミー」をかけ、皆でニヤニヤしながら解散と相成った。こういうイベントもありではないか。いやあ楽しかった。

 



         
 Links : GINGER.TOKYO  saramawashi.com  Facebook  
 Mail to :  takayama@saramawashi.com     
 Sorry, it's Japanese Sight & All Rights Reserved.