0080 残念な結末(2016.10.09.

毎月やっている音楽とトークのイベントだが、今月のお題は「Late60s 1967-69」である。ロックが最も熱かった年と言われる1969年を含む時期、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン率いるザ・ドアーズが活動していた時期、伝説のウッドストック、ザ・ビートルズは先進的なロックンロール・バンドからモンスターへと変貌を遂げる後期、サイケにソウル・ブーム、スウィンギン・ロンドン、モッズ、…いくら時間があっても足りない時期がテーマだったのである。曲が短い時期でもあり、多くかけられることも分かっていたので、これまで以上に早め早めに準備は進めてきたのである。ただしリアルタイムで聴いてきた時期ではない。自分が7歳から9歳の頃だ。自分は10歳から洋楽にハマり始めたので、ビートルズの残り香は記憶にあるし、ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンが亡くなったときのニュースも憶えているが、さすがにその後遡って聴いたまでだ。

 

リアルタイムに聴いていない分、慎重に情報を整理もしたし、全く知らなかったヒット曲も片っ端から聴いて、かけるべきか判断した。ロックの主だったヒット曲はアナログ・レコードが手元にあるが、単なるポップスやソウルのヒット曲は知っていても、レコードがない。YouTubeで検索して聴ける状態にはしてイベントに臨んだが、いやはや残念なことになってしまった。先週あたりからPCの調子が悪く、DVDドライブを認識しなくなってしまったり、イマイチの状態で当日を迎えたのだが、当日はそれこそ最悪で、頻繁に再起動を繰り返しているような状態だったのである。結果として、ご紹介しようと思っていた曲の半分程度は諦めざるを得なくなってしまったのだ。個人的には時間を割いて勉強した上で臨んでいただけに、何とも寂しい結果となってしまった。

 

まずはジミ・ヘンドリックスの発掘音源から、スタジオ内で録音された「スター・スパングルド・バナー」を聴きながら開始時間を迎えた。プロジェクターでは当時のファッション関係のヴィデオなどを流していたので、雰囲気は十分に60sとなっていた。定刻となり、まずは時代の象徴的な曲、67年代表はドアーズの「ハートに火をつけて Light My Fire

からスタートだ。続いて68年は「イージー・ライダー」のサントラ盤からステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」、そして69年はローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウイメン」である。その後ビルボードの年間シングル・チャート上位曲をヴィデオで紹介し、ここからは代表して、ビートルズの「ヘイ・ジュード」だ。何ともいい時代ではないか。その後、アルバム・チャートを席巻していたハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの一連のヒット曲をフェイドアウトさせながら、かいつまんでご紹介した。皆さん、「聞けば分かる」状態で、「ああ~」の大声連発だ。

 

ここからはスタンダード化したヒット曲の一群だ。スモール・フェイセス、ザ・フー、スペンサー・デイヴィス・グループ、モンキーズにタートルズ、ヤング・ラスカルズにプロコル・ハルム、ヴァニラ・ファッジにマンフレッド・マンといったところである。マンフレッド・マンの「マイティ・クイン」はベーシストのジャック・ブルースをクリーム結成のために引っこ抜かれたことや、ボブ・ディランの「地下室」音源のひとつであることなど、紹介すべき話題が豊富で、まさにイベント向きの曲ではないか。メアリー・ホプキンの「悲しき天使」も同じことが言える。

 

サンフランシスコのフラワー・ムーヴメントからは、ジェファーション・エアプレインの「あなただけを Somebody To Love」のサイケさが際立って面白い。ここから映画関連に行き、「明日に向かって撃て」「2001年宇宙の旅」「真夜中のカーボーイ」の超有名曲を堪能した。また67年のカンヌ映画祭パルムドール受賞作ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」を映し、ジェフ・ベックとジミー・ペイジの2人が同時に在籍していたヤードバースのライヴ・シーンを音無しでご紹介するというハプニングもやらかしてしまった。

 

続いて、1968年からスタートしたオリコン・チャートを眺めつつ聴いたのは、いしだあゆみ「ブルーライト・ヨコハマ」と、ピンキーとキラーズ「恋の季節」である。後者は、海外でも人気があり、68年は年間第3位、69年は第4位というロングラン・ヒットなのである。凄い。その後、ソウル・ヒッツを8曲ほどご紹介する予定だったが、サム&デイヴ「ソウル・マン」1曲を聴いたところでPC不調に直面し、すっ飛ばすことになってしまった。ソウル好きの方には本当に申し訳なかった。

 

結果的にその後は新時代の音と感じられるロック中心のラインナップになってしまった。レッド・ツェッペリン、ジミ・ヘンドリックス、ブラッド・スウェット&ティアーズ、サンタナ、クリーム、サイモン&ガーファンクル、アイアン・バタフライ、ディープ・パープル等々である。ここら辺で時間切れとなり、ローリング・ストーンズ「ルビー・チューズデイ」、ジャニス・ジョプリン「サマータイム」、そしてオーティス・レディング「ドック・オブ・ベイ」が最終曲となった。若くして亡くなったミュージシャンに敬意を表して締めくくったわけである。

 

ああ、ソウル・ヒッツが全くないなんて、全然60sらしくない内容になってしまった。テンプテーションズ「雨に願いを I Wish It Would Rain」とスライ&ザ・ファミリー・ストーン「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」は好きな曲だけに、本当に残念でならない。今回も満席状態の参加者の皆さんからは、「面白かった」「楽しめた」とねぎらいのお言葉を頂戴することにはなったが、非常に心残りなものになってしまったことは事実だ。いや~、まいった、まいった。

 



         
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