0089 パーティ・イズ・オーヴァー!(2016.12.11.

昨夜はカフェでGINGER PARTY 2016と銘打ったパーティが開催された。毎月開催しているイベントの参加者の皆さんにお声がけして、ホーム・パーティの延長的なテイストを狙った千円会費のものだった。ワンドリンク+軽食つき、さらには7インチ盤の入った福袋がもらえるという趣向である。7インチ盤は売値で考えると足が出るものの、仕入れ値、つまり自分が購入した時の値段で考えると大した問題ではない価格のものだ。それでもクズ盤はほとんど入っていない。笑いの提供のためにあえて少しは混ぜたが、当たってしまった方にはもう一つ選んでもらった。もらっても困るモノ的なものも少しはある。ブルース・リーの絶叫入りなどというものは、男性ならまだしも、女性はもらっても困るだろう。ジョークと受け取ってもらえればいいが、総じていいものが入っているので気分を害されなければよいのだが。

 

準備不足は否めない進行となってしまったが、皆さん案外楽しんでいただけたようで、一安心といったところだ。クリスマス・パーティでもないしと考え、個人的にはクリスマス・カラーを排除してみたが、開始直前は山下達郎の「クリスマス・イヴ」が使われたJR東海のCM映像の連発でボリューム感に馴染んでいただいた。毎年12月になると、どうしても聴きたくなる曲ではある。最初の1曲は誰も嫌がるだろうと思い、自分からと考えて、何にするかさんざん悩んでいた。本来なら派手めの鳴りの曲で賑やかにと考えていたが、当日の場の雰囲気がずいぶん落ち着いていたもので、ついつい場の空気を読んでしまい、ルーム・イレヴンの「サッド・ソング」で渋く始めることとなった。

 

年齢的には40代、50代が中心なので、傾向はある程度想像がつく。しかし選ばれる曲に関しては、さすがに意外なものの連続だ。スティーリー・ダン~ドナルド・フェイゲン路線とトム・ウェイツ関連はある程度読んでいたのだが、曲が違う。自分に選ばせたら、トム・ウェイツなら「トム・トラバーツ・ブルース」がダントツで好きだが、「ダウンタウン・トレイン」がきたりする。しかもパティ・スマイスのカヴァーだったりもする。この女性シンガーは、ヴァン・ヘイレンの二代目ヴォーカル候補にもなったほど、ハードな曲には相性がいい声質だ。その声で歌われるトム・ウェイツの曲は、また趣きが違って面白い。一方、スティーリー・ダンなら絶対「彩 エイジャ」だろうと思うが、「幻想の摩天楼」からの選曲だったりといった具合で、やはり面白いのである。

 

ソウル・クラシックのスタイリスティックス「愛がすべて」やテディ・ペンダーグラス「ドゥ・ミー」は当然意外だった。それにしても「ひげダンス」、超懐かしい!パーティならではの選曲ではなかろうか。一方でチック・コリア「スペイン」やジョー・サンプル「メロディーズ・オブ・ラヴ」、ボブ・ジェームス「スパークリング・ニュー・ヨーク」あたりもなるほどと思う選曲である。こういった場では、傾向や空気を読むことはしなくてもいいのではないかと、むしろウェルカムな気分になった。場違いかと心配して遠慮された方もいらしたが、そういう方に向けてのメッセージの意味も込めて、自分はホルストの惑星から木星(当然ながらカラヤン指揮の例の音源だ)や福原美穂「優しい赤」など、幅広さをアピールしておいた。

 

面白かったのは、サイモン&ガーファンクルから「冬の散歩道」と「スカボロ・フェアー」の2曲が登場したことと、ハードな曲ではホワイトスネイク「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」とマウンテン「ミシシッピー・クイーン」しか出なかったことだ。もっとハードな選曲が多いと思っていたのは自分の思い過ごしか。ポール・ウェラーは登場したものの、80年代以降のミュージシャンは想定外に少なかった。そんな中、ピーター・ガブリエル「スレッジハンマー」は嬉しい選曲だった。この曲に関しては、やはりヴィデオ・クリップが観たかったという気もした。

 

一方で映像の紹介もあった。プリンスのギターを聴いてほしいということで、トム・ペティやジェフ・リンらとともに「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」を演奏しているヴィデオの紹介は面白かった。またハートが演奏したケネディ・アワードでの「天国への階段」も素晴らしかったし、クイーンとデヴィッド・ボウイのコラボ曲「アンダー・プレッシャー」も懐かしかった。締めの一曲もホセ・フェリシアーノのクリスマス・ソング「フェリス・ナヴィダ」である。この辺は自分のコレクションには無いので、ウェブで検索してということになる。まさにユーチューブさまさまである。

 

その他、ジョン・レノン「ウーマン」やルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」、ジョーイ・スキャベリー「アメリカン・ヒーローのテーマ」、ポール・マッカートニー「007 死ぬのは奴らだ」など、本当に懐かしい曲の連続だった3時間もあっという間に過ぎた。さすがに自分の選曲ではないのでストーリーを作っていくのは難しいが、一応きれいに収まったように思えたことは有り難かった。最も印象的な曲に対して2016年にちなんだ豪華プレゼントをということでは、わざわざ藤沢からお越しいただいたというAさんに、今年亡くなったデヴィッド・ボウイの「ジーン・ジニー」の40周年記念盤のピクチャー・レコードを贈呈した。少々度を越した価格高騰に見舞われているデヴィッド・ボウイのアナログ盤は、プレゼントには最適だろう。7インチ盤専門店をやっているカフェのパーティだけに、7インチ盤まみれの様相を呈することになったが、自分自身はそれなりに楽しめたし、一応皆さん満足していただけたようで、ホッとしているところである。

 


   

         
 Links : GINGER.TOKYO  saramawashi.com  Facebook  
 Mail to :  takayama@saramawashi.com     
 Sorry, it's Japanese Sight & All Rights Reserved.