0106 7” de Cinema」準備中(2017.04.09.

例年に比べ、随分遅かった桜の時期も終盤を迎え、新年度が本格的に始動したようだ。飲食店経営にとって、年度末年度当初はちいとも嬉しいことがない時期だ。皆さん忙しいのだろう、常連さんも足が遠のいているようで、売上げは激減する。歓送迎会の場としてご利用いただける場合もあるが、最近の流行はランチで簡単に済ませるもののようだ。ランチは普段以上に混んだりもするが、夜はサッパリ暇でいけない。ここぞとばかり、イベントの準備やレコードの整理などをするが、お客さんがゼロでなければ本格的にやれないことばかりだ。なかなか上手くいかないものだ。

 

こんどの週末のトーク・イベントは、「7“ de Cinema」と銘うった、映画音楽の会である。7インチ盤でお聞かせするということで、制約が非常に大きく、かけられる曲が必然的に決まってしまう。資料も作りようがない状況だが、何とか工夫しないといけないとは思っている。そもそも、映画のサントラ盤に関しては、有名なLPのジャケットが多く存在し、その画集が何冊も販売されているわけだが、では7インチ盤はどうかというと、誰もが知っている有名な映画のものでも、大抵は「初めて見た」という言葉が返ってくる始末で、7インチ盤と映画の関係は、極めて希薄と言わざるを得ない。自業自得だが、上手く語れるものは限られているので、こういった制約があることを上手く活用するしかないのである。サントラの7インチ盤を36枚並べたチラシを作ったところ、もの凄い勢いで無くなっていくことをみても、珍しいと思うのだろうか。一方で、映画が好きな人が多いということも言えるわけで、「釈迦に説法」とならないよう気をつけなければいけないことは、いつも以上となりそうだ。

 

アナログ盤の時代は1988年ごろまでだが、始まりはいつ頃と捉えるべきだろうか。7インチ盤でいくと1949年(昭和24年)からとなる。それ以前には蓄音機とSP盤の時代があり、映画もあったわけだが、さすがにうちで扱う題材とは思えない。実は「第3の男」のSP盤は持っているのだが、この映画の公開は1952年だったので、両方のメディアでリリースされたのだろう。それ以前のもので7インチ盤を所有しているのは「風と共に去りぬ」のみである。こちらは1939年公開ということで、有名な「タラのテーマ」を聴くことになる。LP盤ではチャールズ・チャプリンの「スマイル」など、もっと古いものもあるのだが、今回はトークの中で触れるだけとなる。

 

結局60年代70年代80年代の映画について、それぞれ約1時間ずつかけることになりそうだ。自分にとってのリアルタイムは、「サウンド・オブ・ミュージック」からスタートする。生まれて初めて映画館で観た映画だが、帰りたくないとダダをこねて母親を困らせたという話は何度聞かされたことか。5歳のときなので、記憶にないとしか言えない。それ以前の映画でも、「シャレード」と「ブーベの恋人」の2本は、テレビで何度も観たためか、忘れられないものとなっている。60年代は「イージ・ライダー」あたりもそうだが、ほとんど全て遡りなので、語りは浅いものにならざるを得ない。それでも「大脱走」やら「明日に向かって撃て」やら、語り始めたらきりがないものもあるにはある。

 

やはり自分にとって重要なのは1970年代である。「小さな恋のメロディー」に始まり、音楽好きにも堪らない名作が毎年公開された時期だ。とりわけ1973年は自分にとって洋楽にハマった時期でもあり、「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」「エクソシスト」「スティング」「007 死ぬのは奴らだ」といった、音楽も有名な映画がぞくぞく登場した重要年である。70年代には「ロッキー」や「スター・ウォーズ」など絶対に忘れることのできない名曲も登場する。また「ジョーズ」や「未知との遭遇」といった、ワン・フレーズでそれと判る名曲もある。巨匠ジョン・ウィリアムズ恐るべしと言いたくなる時代でもあるが、いくらでも語れる、語り尽くせない名画の数々に時間が足りなくなりそうだ。

 

1980年代も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ゴーストバスターズ」「フットルース」「フラッシュダンス」「トップガン」といった、誰もが知っている忘れもしない名画の数々に加え、「炎のランナー」「ブレード・ランナー」「南極物語」「バウンティ」といった映画でその名を知らしめたヴァンゲリスの活躍が忘れられない。音楽そのものの楽しみ方がミュージック・クリップ中心になり、マイケル・ジャクソンやピーター・ガブリエルといったヒット・メイカーが凝りに凝ったヴィデオで楽しませてくれた映像の時代でもある。映画音楽も語り尽くせないものがあるのだ。「セント・エルモス・ファイヤー」「愛と青春の旅立ち」「カリブの熱い夜」…。この時代、邦画も角川映画をはじめ、語るべきものは多い。「スローなブギにしてくれ」「幻魔大戦」「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」…マッタク、収拾がつかなくなりそうだが、記憶の整理にもなろう。語らいながら、楽しい時間をシェアしたいものだ。

 


   

         
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