0125 Encore The 70s – 1974」終了(2017.08.27.

昨夜は久々のトーク・イベント「Encore The 70s – 1974」だった。諸般の事情によりしばらく間があいてしまったが、今回は時代の変節点、1974年である。昨年4月に一度やっているテーマ年なので、前回と違う曲をかけたくなるのはやむを得ない。だからといって、時代を代表するような有名曲をはずしていいものか、いろいろ悩みながらプレイリストを組むことになる。前回はディープ・パープルの「紫の炎」からスタートし、パイロットの「マジック」とつなげ、早い段階でソウル・ミュージックのヒット曲を並べ、エリック・クラプトンやビートルズの残党の動向の解説に時間を割いた。今回は少し違う方向でという考えのみを持って当日を迎えてみた。

 

まずは、やはり時代の象徴ということで、エリック・クラプトン「アイ・ショット・ザ・シェリフ」からスタートした。当たり前すぎたか、反応は薄い。前回、お客様とのやり取りの中でいろいろ考えすぎてしまい、スティーヴィー・ワンダーがすっかり抜け落ちてしまったので、今回は好きな曲から順番にかけるかというのが基本線である。続けたのはスティーリ・ダン「リキの電話番号」、ジョニ・ミッチェル「ヘルプ・ミー」あたりである。少々地味なスタートになったが、ハードロックは後半に持っていって盛り上げるかという方向性もこの辺で見えてくる。

 

相変わらず、詳細な資料をお配りしているので、ビルボードの年間Top100を見ながら下位から中位にランクインしている曲を続ける。ファーストクラス「ビーチ・ベイビー」、トッド・ラングレン「ハロー、イッツ・ミー」、そしてエルトン・ジョンは70年代のシングル一覧の補足資料をお配りして「僕の瞳に小さな太陽」と「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」と続けた。ビートルズの残党に関しては、前回かけていない曲ということで、ポール・マッカートニー&ウィングス「ジェット」とリンゴ・スター「ユア・シックスティーン」である。

 

ボー・ドナルドソン&ヘイウッズ「悲しみのヒーロー」はオリジナルがペーパーレースであることや、ブラウンビルズ・ステーション「隠れ煙草 Smokin’ In The Boys Room」はモトリー・クルーのカヴァーであること、リーダーであるカブ・コーダのコメディアンや人気音楽評論家として素性などを紹介しながらとなった。少々色物的なところから繋ぎ、オリコンのチャートに移り、補足資料を見ながらフィンガー5「学園天国」、荒井由実「海を見ていた午後」、井上陽水「心もよう」と邦楽3曲は過去最多か。今回は映画があまり面白くないので、サントラは割愛した結果である。オリコンでは洋楽も上位に食い込んでくることがある。この年、カーペンターズが大ブームとなっており、シングルもアルバムも猛烈な売上げだ。カーペンターズは「トップ・オブ・ザ・ワールド」を選んだ。

 

さて多めにかけるかと思っていたソウル・ミュージックだが、今回選んだのは、まずロバータ・フラック「愛のためいき Feel Like Makin’ Love」、ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン「テル・ミー・サムシング・グッド」だ。いずれも大好きな曲である。続けて、スティーヴィー・ワンダーは「インナー・ヴィジョンズ」から「くよくよするなよ! Don’t You Worry ‘Bout A Thing」「ハイヤー・グラウンド」「汚れた街 Living For The City」と3曲聴いた。それだけリスペクトすべき大名盤である。その後は一発屋的なヒューズ・コーポレーション「愛の航海 Rock The Boat」、ジョージ・マックレー「ロック・ユア・ベイビー」、バリー・ホワイト&ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ「愛のテーマ」といったところだ。ディスコ・ブームに向けて一気に変容を見せるソウル・ミュージックの、時代の変節点を示しているようで面白い。

 

次に、カナダの吟遊詩人、ゴードン・ライトフットの「サンダウン」、次にウッドストック系、マウンテン・ミュージックなどというものまで紹介しながら、マリア・マルダー「真夜中のオアシス」、そして元々はブルースをやっていたスティーヴ・ミラー・バンド「ジョーカー」と続けた。自分が14歳のころ、なけなしの小遣いでレコードを買ったものでもある。個人的には最も懐かしいあたりだ。

 

ここからは終盤に向けて、英国ロックのブームがいかにアメリカと違うかという話題を織り交ぜ、マッド「タイガー・フィート」、ジョーディー「君にすべてを All Because You」、バッド・カンパニー「キャント・ゲット・イナッフ」、そしてクイーンの名盤「シアー・ハット・アタック」から「ブライトン・ロック」と「キラー・クイーン」を続けて聴き、数年分は先を行っていたこのバンドの素晴らしさを認識した。

 

流れとして、最後は前年に飛行機事故で急逝したジム・クロウチの曲がまだ売れ続けていたということで「タイム・イン・ア・ボトル」で締めた…が、「それはないだろう」という声がかかり、急遽ディープ・パープル「紫の炎」、そしてなぜかプリンス「レッツ・ゴー・クレイジー」などを聴きながら散会となった。

 

今回、映像はビルボードの100曲やCM映像、アニメ紹介映像などをバック・グラウンドのみで流しっぱなしとし、以前のスタイルに戻したのだが、やはりこのほうがトークにも時間が割けるので、やっているこちらも楽しめる。いろいろなものが以前のやり方に戻るが、このスタイルで次回は「1975年」、923日の開催となる。清澄白河からマルチ・メディア的に情報発信をし続けて2年半、壁面展示も、読書会も、そしてこの音楽のトーク・イベントも、いよいよ面白くなってきた。古本屋の集合体「下町文庫」、7インチ盤専門店「45rpm」ともども、ヨロシク!!

 

 

 

 


   

         
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