0129 ディスコブームへの助走期間(2017.09.24.

昨日は毎月開催しているトーク・イベントだった。今回のお題は1975年、自分が15歳の年であり、初めてコンサートに行った年である。ズブズブに音楽にハマっていった時期であり、好きな曲が山ほどある。当日のプレイリストを決めることは嬉しくも辛い作業となる。1970年代はブリティッシュ・ロックの全盛期である。イギリスではハード・ロックの名盤が次々リリースされる一方で、グラム・ロックのブームが落ち着き始めた頃でもあった。それに呼応するかのように、アメリカン・ロックの連中、イーグルスやドゥービー・ブラザーズも元気だったし、エアロスミスの人気に火が点き始めた時期でもある。ロック好きには溜まらない頃だ。その一方で、70年代後半の大ディスコ・ブームへの助走期間のような時期でもあり、ブラック・ミュージックも百花繚乱、多様なヒット曲が生み出された時期である。

 

最近、参加者の数は決して多いわけではない。今回も開始時間の18時には3名しかいらっしゃっていない状況だった。最終的には6名まで増えたが、寂しい限りである。それでも半分は自己満足でやっているようなところもある。定刻には始めてしまう。まずはブリティッシュ・ロックの名曲連発ということで、やはり時代の象徴、デヴィッド・ボウイの「フェイム」からスタートした。続けて同曲にも参加していたジョン・レノンの「スタンド・バイ・ミー」、そしてビートルズの残党繋がりでポール・マッカートニー&ウィングスの「ワイン・カラーの少女 Letting Go」である。このあたりの曲は、ビルボードの年間Top100にも入っていないが、アルバムで聴くスタイルが一般的になってきたことを意味しているようで面白い。

 

3大ギタリストに関しては、まずレッド・ツェッペリン「トランプルド・アンダー・フット」を7インチ盤で聴いた。とてもシングル向けの曲とは思えない長さだが、実にいい音で鳴る。アルバムは年間で15位にランクインするほど売れていたことに驚かされる。ジェフ・ベックは「悲しみの恋人たち Cause We’ve Ended As Lovers」だ。スティーヴィー・ワンダー作の名曲はいつ聴いても素晴らしい。エリック・クラプトンはゴスペルの名曲「揺れるチャリオット」のレゲエ・スタイルのカヴァーである。レイドバック期の大好きな曲だ。

 

続けて、エリック・クラプトンから嫌われたバンド、10cc70年代を代表する名曲「アイム・ノット・イン・ラヴ」はアルバム「オリジナル・サウンドトラック」からかけた。つい先日7インチ盤が売れてしまい、手元になかったので仕方がない。この後は、この年にデビューしたことになるレイボー「銀嶺の覇者」、セカンド・アルバムからの大ヒット「熱い叫び Feel Like Makin’ Love」、スウィート「ロックン・ロールに恋狂い Ballroom Blitz」と続けた。スウィートは年間シングル・チャートで16位までいく大ヒットである。もっと評価されて然るべきと思うが、なかなか同意は得られない。

 

ここでアメリカに移る。まずはエアロスミス「スイート・エモーション」、イーグルスは「呪われた夜 One Of These Nights」とアルバムではその次の曲「Too Many Hands」を続けて聴いた。ランディ・マイズナー作の「Too Many Hands」は、イーグルスの中で最も好きな曲なので、ワガママを言わせてもらった。次はドゥービー・ブラザーズ「ブラック・ウォーター」だ。異例のロング・ラン・ヒットだったことが懐かしい。この後はビルボードのシングル・チャートの年間ベスト3を続けて聴いた。キャプテン&テニール「愛ある限り Love Will Keep Us Together」、グレン・キャンベル「ラインストーン・カウボーイ」、エルトン・ジョン・バンド「フィラデルフィア・フリーダム」の3曲は、やはり時代を象徴する名曲群である。

 

ここで資料を見ながら、日本人の話題に移行した。前年からアルバム・チャートを席捲していた井上陽水「夕立」を聴き、またチャートには表れないが、後々も評価され続ける伝説のバンド、シュガーベイブの「ダウン・タウン」を楽しんだ。映画音楽に関しては、あまり面白い年ではない。思い切って割愛し、大ディスコブームへの助走期間という話題に移った。まずは白人なのにといったところで、ビー・ジーズ「ジャイヴ・トーキン」、アヴェレージ・ホワイト・バンド「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」を聴いた。ソウル・トレインのダンサーたちも驚いたという黒い音を出す白人連中に拍手だ。

 

ブラック・ミュージックはまだ多様性を示していた。ファンキーなウォー「ホワイ・キャント・ウィー・ビー・フレンズ」、エロ格好良いオハイオ・プレイヤーズ「ファイヤー」、典型的なダンス・ミュージック、ヴァン・マッコイ「ザ・ハッスル」、スティーヴィー・ワンダーは「レゲ・ウーマン Boogie On Reggae Woman」、力強いヴォーカルのラベルは「レディ・マーマレード」、美しいコーラスのスリー・ディグリーズ「天使のささやき When Will I See You Again」、そして大名曲、4オクターブ・ヴォイスのミニー・リパートン「ラヴィン・ユー」と続けてみた。いやはや懐かしい。

 

ついしゃべりすぎてしまったこともあって、終わりが近づいてきてしまった。ここからはランダムにヒット曲をかけようと思い、20曲ほど用意していたのだが、せいぜいで3~4曲だ。短めの曲を4曲選びだそうと決め、オリビア・ニュートン・ジョン「そよかぜの誘惑 Have You Never Been Mellow」、リンダ・ロンシュタット「悪いあなた」、スティックス「レディ」と続け、締めは当初の予定通りZZ Topの「タッシュ」で気持ちよく終わった。

 

イベント終了後、話の流れから、1曲だけアメリカン・プログレの萌芽としてアンブロージア「ホールディング・オン・トゥ・イエスタデイ」も聴いたが、その後は80年代の曲をYouTubeで観たりしていた。70年代は自分の最も得意とする時代だが、お客様のウケがいいのは80年代なのかもしれない。事実80年代90年代はやらないのかということを繰り返し言われ、少々メゲてもいた。70年代のイベント「Encore The 70s」はここで一旦打ち切り、次回からは3回連続のイベント「Around 1990」として、第1回1989年に飛ぶこととした。アナログにこだわるべき時代ではないが、それでも28年も前のことなのだ。懐かしいことになるだろう。ご都合がよろしければ、ぜひご参加ください。よろしくお願いいたします。

 


   

         
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