0132 45rpmの邦楽(2017.10.14.

前回もご紹介したとおり、7インチ盤専門店「45rpm.tokyo」のウェブサイトの更新を進めている。今回はとりわけ邦楽を集中的にやっているわけだが、如何せん物量的に一日二日で終わるようなものではない。カフェの運営も思うように行っているわけではなく、自由になる時間がタップリある身分ではないので、作業は遅々として進まない。それでもスリーブの画像がスキャンしてあるので、載せるだけ載せるかという安易なスタンスでドンとアップロードしてみた。よそのレコード屋さんではこういったデータベース的なものを公開している例があまりないのは、やはり手間だからだろうし、売れてしまったものを削除し、買い取ったものをすべて掲載してといった作業は、終日それだけにかかりきりでも実現不可能だろう。ウチのように小規模な店舗でももの凄い作業になってしまった。

 

普段は洋楽しか聴かないし、所有しているアナログ・レコードの枚数も、圧倒的に洋楽の方が多い人間なので、邦楽に関しては苦手意識のようなものもある。実際にアイドル系などは詳しくないというか知らない。それでも、お世話になった方から「レコード屋として始めるなら、ある程度は揃えておくべき。特にアイドル系は拘りのある方がいるので要注意。」というご意見をいただき、開店前に慌てて買い付けに走ったりしたのである。洋楽同様、一定のクオリティは維持したいので、状態の悪いものには手を出さないようにしたが、レア度に関する知識が不足しているので、必然的に好きか否かというものさしが基本である。加えて「この人のファンは凄そうだからある程度揃えておくべきだろう」という思い込みが、特異なラインナップを形成することになる。

 

本来なら、男性アイドルの盤も少しは置いておくべきだろうが、一枚もない。あると言えば、人間的に好印象を持っているチェッカーズくらいのものだ。1970年代のアイドルなど、南沙織、山口百恵、麻丘めぐみ、太田裕美、キャンディーズ、ピンクレディーといったあたりは、ほぼ揃っており驚かれたりもするが、それ以外はないという「えこ贔屓」状態である。元々個人コレクションがベースということもあるが、極端なラインナップである。さらに言えば、個人的な性格が反映しているようで、データベース的な構成になっている。つまり年代順に並べるところには拘り、発売年をできるだけ記載した。これに関しては、再発年というものが意外なほど判らないので、絶対に満足はしていないが、眺めて楽しむ分には十分だろう。

 

また、古いものから順に縦並びに置き、スリーブ写真の右側に曲名を記すという、スマホで見易い画面構成にした。細かい部分は賛否両論あるだろうが、昔から拘っている部分は徹底している。つまり日本人もファミリー・ネームのABC順に並べないと気が済まないのである。あいうえお順でもいいが、濁点の扱いに違和感があったり、外国人のお客様には説明しなければいけなくなったりするので、やはりABC順が好ましい。本来ならサイト内検索ができると便利だろうが、これに関しては時間的な余裕がないので、近い将来やりたいこととしてとっておこう。

 

一定枚数以上あるアーティストは独立したページをつくったが、一枚しかないアーティストだってなかなか面白いラインナップである。一発屋ということに限らず、代表曲しか知らない場合もあり得るので、活動期間の長い人でもここにいたりする。意外な並びが楽しい。元は「Others」でまとめていたが、枚数が増えて見づらくなったので、1970年以前、1971年~1975年、1976年~1980年、1980年代以降にまとめ、年代順に並べてある。この部分もABC順に並べるという考え方もあろうが、年代順の方が眺めていて時代感覚が蘇ってくるので面白いのである。アーティストにもよるが、大体1988年頃に7インチ盤シングルのリリースは終わってしまう。いずれにせよ、30年以上前のものなのだ。状態がいいことには拘るが、限界もある。とりわけ、子ども向けに売られたものは厳しい。以前にも書いたが、「およげたいやきくん」は最も多く売れた7インチ盤である。しかし、塗り絵が付属している完品は滅多にない。あればかなり貴重な盤ということになる。

 

45rpm.tokyo」の値付けは、あくまでも自分の「売りたくない度」である。LP、すなわちアルバムで買われることの方が一般的なミュージシャンの7インチは、人気のある人でも意外にレアだったりする。ユーミンや山下達郎など、意外なほど入手困難である。好きな上にレア度も高いとなると、手放したくなくなるではないか。この傾向は洋楽の方が顕著とも言えるが、大瀧詠一もサザンオールスターズも、ドーナツ盤シングルを揃えるのは至難の業である。誠に下世話な物言いになるが、例えばめんたんぴんの1976年のシングル「ランブリン・ライダー」なんぞ、アルバム未収録である。歴史的な価値を考えると、何万円では済まされない超レア盤となる。こういった情報も地道に発信していきたいとは思うが、時間がいくらあっても足りない現状が恨めしい。いずれにせよ、このサイトが完成することはあり得ないので、今後も気分次第で時々更新していくことにしよう。

 


   

         
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