0139 ホリデーズ・ルール(2017.12.02.

ハロウィーンが終わると同時にクリスマス商戦が始まるというのは、ここ数年すっかり定着した感覚だ。なぜ感謝祭でターキー云々というイベントが抜けてしまうのかは知ったことではないが、日本人が特別お祭り好きとも思わないし、結局のところ大手商業施設の商戦に乗せられているだけという気もしないではない。お祭り好きかどうかは、深川の水掛け祭を見ているかぎりイエスという気にもなるが、他国と比べると一概にそうとも言えない。インドネシアのバリ島などのように、毎日どこかでお祭りをやっている地域だってある。それに比べれば大したことないという気にはなる。それでも、ハロウィーンの夜の渋谷のバカ騒ぎをニュースで観て、日本人も結局好きなのかなあなどと不遜なことも思ってしまう。宗教行事と一緒にしてはいけないかもしれないが、日本人の宗教観自体がその程度と思われても仕方がない状況なので、敬虔なる信者の方々には申し訳ないが、大差ない気がしていけない。

 

結局のところ、ホリデー・シーズンになるとイルミネーションが点灯され、街中が華やかになるのは決して嫌ではない。かくいう自分も昨年からはパーティを一つ主催している。GONGER.TOKYOで開催されるGINGER PARTYだ。昨年も忘年会シーズンともいえる12月中旬にやったので、やはり雰囲気的にはクリスマス・パーティに近い。歌わないし踊らない自分が企画する内容は、オススメ曲を持ち寄って一言添えながらかけるだけである。福袋的にお配りする7インチ盤をその場でかけるもよし、交換して楽しむもよしといった趣向は凝らしてある。音楽好きにとっては案外楽しめるものだ。昨年は、ハートが演奏した「天国への階段」を紹介してくれた常連さんが文字通り天国への階段を上っていってしまったので、今年はこの曲を禁止曲としてある。まったく寂しいったらない。

 

今年も福袋の準備は進めている。中身の選盤はさっさと済ませた。売り物の中でもストックがある売れ筋のものが中心だ。昨年は「ハズレ」盤も数枚仕込んだが、この程度のパーティで不快になられても困るので、今回は比較的良質なものばかりだ。そして今年は「もっとも印象的なドヤ顔に、2017年にちなんだプレゼントあります!」という唯一無比の特徴がある。昨年もやはり、最も印象的な曲に2016年にちなんだプレゼントを進呈した。1月に亡くなったデヴィッド・ボウイの「ジーン・ジニー」40周年記念盤ピクチャー・ディスクの7インチである。下世話な話だが、その場でAmazonのマーケットプレイスの価格をチェックして、みんなで大騒ぎした一枚だ。買値から100倍以上に高騰していたわけで、騒ぎたくもなる。ちなみに今日現在の価格は50,000円だった。半分程度まで下がってしまったが、これが相場というわけでもなかろう。いずれにせよ、価値があることに変わりはない。

 

問題は今年のプレゼントを何にするかだ。「そんなにいいものはもう出せない」と宣言しておいたほうがいいのだろうか?それでも2017年にちなんだ一枚となると、訃報がらみではチャック・ベリーか、スティーリー・ダンか、グレン・キャンベルか、トム・ペティか、ムッシュ釜萢か。今年も多くのミュージシャンの訃報に接したことが残念でならない。自分が一生懸命聴いてきたミュージシャンもみな高齢化しているので仕方がないとは思うが寂しいものだ。

 

実は「これでいいかも」と思い、注文しておいた7インチ盤がある。今年のクリスマス・アルバムの目玉は何と言っても「ホリデーズ・ルールVol.2」ではなかろうか。何せポール・マッカートニーとノラ・ジョーンズの音源が含まれているからだ。その他のミュージシャンは正直言ってほとんどわからないに近いのだが、なんとそこからシングル・カットして7インチ盤でリリースされた「クリスマス・ルールズ」というものが2種あるのだ。面白いのは、両方ともポール・マッカートニーとトゥナイト・ショーのジミー・ファロンとヒップホップ・グループのザ・ルーツがコラボしている「ワンダフル・クリスマスタイム」がA面で、カップリング曲が赤い盤はノラ・ジョーンズ、緑色の盤はザ・ディセンバリスツの音源なのである。当然ながら自分が目をつけたのは赤い盤で、ポール・マッカートニーとノラ・ジョーンズのカップリングという豪勢な7インチ盤というわけだ。

 

しかし、残念なことにこれが手に入るかどうかは現時点では分からない。少し前から2枚予約しておいたのだが、発売日を過ぎても「入荷待ち」になっているのだ。パーティ当日までに入手できていなければ意味がない。ちなみに、今日現在でAmazonを見てみると、当然ながら売り切れており、マーケットプレイスで売られているものとなる。出品は1件のみ、お値段は24,800円である。まったくもって、最近の7インチ盤市場は猛烈な高騰に見舞われている。せめて自分はあまり高値で売らないようにしようと思うが、売りたくないものにはそれなりに高値をつけて店に置いてある。どうしたものか…。

 


   

         
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