0146 気まぐれイベント(2018.01.21.

昨夜は毎月恒例のトーク・イベントだった。お題は「1976年」、毎度バタバタしてみっともない状況で始めるが、今回も10分遅れでようやく始めることができた。まったくお恥ずかしい次第である。当然ながら、準備不足である。当日の朝、早く起きてプレイリストは作ってみた。30曲に絞り込むことが困難なことは重々承知しており、予備の10曲を含め40曲まで絞り込んでおいた。しかしいざ始まってみると、気分屋むき出しで変更に次ぐ変更、モノが見つけられずにイライラ&断念、終わってみれば13曲はリストにない曲をかけていた。自分でもあまりに酷い気まぐれに少々驚いている。

 

本来はしばらくお休みすると宣言したイベントである。それでも何人かの方に何とかやって欲しいと言われ、仕方なしに告知はしてみたものの、やってと言ってくれた方々は全然いらっしゃらない。まったくもって、どうすべきやら。それでも8名の方が参加していただけたので、もう少し続けるかということにはなっている。資料づくりなどに拘り過ぎるからいけないのだろうが、時間がないという理由は通用しない。次から次へと仕事を増やしているのは自分自身なのだ。せめて好きな音楽のイベントくらい何とかすべきだろう。毎月楽しみに来てくれる方がいるうちはやるしかない。

 

10分遅れでお客様が3人になったところで始めることにした。まずはバッド・カンパニーによるコースターズのカヴァー「ヤング・ブラッド」からだ。タイトな演奏が気持ちよい。次にデヴィッド・ボウイと思ったが、盤が見当たらない。イベントの際は諦めが肝心、すぐに切り替えて、この年に亡くなったトミー・ボーリン「ポスト・トースティ」にチェンジだ。籠った音のギターが妙に格好良い。ディープ・パープルへの加入は必然だったか、いまだに分からない。続けては、クイーン、「ボヘミアン・ラプソディ」にいきたいところだが、今回は自分がクイーンの中でも1、2に好きな曲「スイート・レディ」だ。さらにエアロスミスも「ドリーム・オン」や「ウォーク・ディス・ウェイ」ではなく、「スイート・エモーション」に、キッスは「デトロイト・ロック・シティ」ではなく、「ハード・ラック・ウーマン」にしてみた。みな1976年のヒットだ。同じ参加者さんが多いわけではないが、以前に一度やっている「1976年」だけに、今回は代表的なヒット曲ではなく、自分の好きな曲という基準で選ぶことにしてみたのである。

 

建国200年祭で浮かれていたアメリカでも、自国の有り方に疑問を呈した連中もいた。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」は本来19774月のシングル・リリースだが、アルバムは7612月の発売だった。この時期は西海岸の方が魅力的に感じた。バーバンク・サウンドなどという言葉もあったが、ドゥービー・ブラザーズは常に我々の話題の中心近くにいた。今回は「イット・キープス・ユー・ランニン」を、ドゥービーズ自身のオリジナルと、同じくドゥービーズの面々がバックアップしたカーリー・サイモンのカヴァーを聴き比べることにした。当然ながら、甲乙つけ難い。続けて映画「フリー・ライド」から、パブロ・クルーズ「ゼロ・トゥ・シックスティ・イン・ファイヴ」を紹介し、ここらで開き直り始め、語りを普段より多めにしてみた。予定していたプレイリストは完全放棄である。

 

ここからは、知り得る限り蘊蓄を傾けた。ボブ・ディラン「ハリケーン」、リンダ・ロンシュタット「また一人ぼっち Lose Again」、リー・オスカー「ザ・プロミスト・ランド」、ザ・バンド「ラスト・ワルツのテーマ」、エレクトリック・ライト・オーケストラ「リヴィン・シング」、ボストン「モア・ザン・ア・フィーリング」など、手元に資料などなくてもいくらでも語れる好きな曲ばかりだ。

 

ブラック・ミュージックは選出に苦労する時期だ。大ディスコ・ブーム直前、名曲も多い年である。アース・ウィンド&ファイアー「シング・ア・ソング」、西ドイツのシルヴァー・コンヴェンション「フライ・ロビン・フライ」、スティーヴィー・ワンダーは「サー・デューク」、ダイアナ・ロスは「マホガニーのテーマ」といったところを選んだ。まったくもって、素晴らしい年である。合わせてブルース・バンドの変容ぶりを取り上げた。記録的なロング・ラン・ヒットのフリートウッド・マックは語りだけ、曲を紹介したのは、サヴォイ・ブラウンの残党フォガットの「スロー・ライド」、スティーヴ・ミラー・バンド「フライ・ライク・アン・イーグル」、そこから独立したボズ・スキャッグス「ロウダウン」などだ。加えて、話の流れから、トム・ウェイツ「トム・トラバーツ・ブルース」を合間に挟んでしまい、少々流れが悪かったことは反省材料だ。

 

英国勢に移り、ローリング・ストーンズ「ハンド・オブ・フェイト」、ロッド・スチュワート「トゥナイツ・ザ・ナイト」、ジェフ・ベック「レッド・ブーツ」の3曲を続けてみた。文句なしの名曲群である。続けてニュー・ヨークの話題に移り、ブルー・オイスター・カルト「ザ・リーパー」、シカゴ「雨の日のニュー・ヨーク」、ポール・サイモンは「スティル・クレイジー・アフター・オール・ジーズ・イヤーズ」ときたところで、バラードを続けることにして、アメリカ「デイジー・ジェーン」、エルトン・ジョン「悲しみのバラード Sorry Seems To Be The Hardest Word」を堪能した。いやはや名曲である。

 

ここで時間切れ、32曲目のラストはウィングス「シリー・ラヴ・ソング」とした。一旦締めたものの皆さん席を立たれる気配は全くなかったので、エリック・クラプトン「ハロー・オールド・フレンド」、ピーター・フランプトン「ショー・ミー・ザ・ウェイ」、スティックス「クリスタル・ボール」などといったあたりを聴きながら、結局22時頃まで談笑することになり、トータル4時間のイベントとなってしまった。結局、なんだかんだ言って、音楽好きの集まりである。いい音楽と美味しいものがあれば楽しい。あまり難しく考えず、しばらくはこのスタイルでいくかと腹を括った。さて、どこまでアドリブが通用するものか、実力が問われることになってしまったが、それも含め、楽しみながらやることにしよう。

 


   

         
 Links : GINGER.TOKYO  saramawashi.com  Facebook  
 Mail to :  takayama@saramawashi.com     
 Sorry, it's Japanese Sight & All Rights Reserved.