0159 時代の節目(2018.04.22.

トーク・イベント「Encore The 70s – 1979」が無事終了した。直前のバタバタに関しては毎度ここで書いているが、今回も当然のようにバタバタしていた。しかもこれまでで最悪のバタバタだったかもしれない。如何せん用心して4日前に資料をプリントアウトしてと思い、印刷を始めた途端にプリンタが壊れてしまい、慌てて買い直して何とか2日前の夜中に資料が完成したのだ。いつもは資料を確認しながら最終的にトークの内容を組み立てていくのだが、そんな余裕はまったく無い。マッタクもって冷や汗ものの運営状況なのである。それでも救いはある。この時期はアナログ盤、それも7インチ盤がほぼ揃っているので、ものさえ探し出してあれば何とかなるという感覚はある。いつもの気まぐれを抑え込んで、事前に作成してあるプレイリスト通りにかけていけば問題はない。今回は時間が足りなくなってしまった終盤をのぞけば、1曲リクエストに応えてかけたエアロスミス以外は予定通りだったのである。…別に悪いことではない。

 

やはりこの辺りの時期から洋楽が一般的になっていくこともあって、参加者の数がぐんと増えてパンパン満席状態となってしまった。次回からはお席の予約を徹底しないとまずいことになりそうだ。オリコンの資料を見てもかなりの数の洋楽ヒットが年間Top100にランクインしているところからも証明されるのだが、ABBAやビレッジ・ピープルなど、子どもも口ずさんでいた洋楽ヒットが多い年でもある。その辺の曲をウチのイベントでかけてもしょうがないが、時代の空気感を蘇らせるという側面からは無視するわけにはいかない。語りの中で少し触れたりはした。とにかく、1970年代後半はいずれの年も時代の節目感が強く、その痕跡を上手く拾い上げていくことで十分に語れるのである。

 

さて当日のドタキャンとそれを上回る突然の来訪者の対応で大混乱の中、オーダーのドリンクを作りながら定刻にスタートした。まずは時代を象徴するヒット曲ということで、スーパートランプの「ロジカル・ソング」で幕開けだ。続けては何故あんなに売れたのか理解に苦しむと言いながら、ビルボードでは年間No.1シングル・ヒット、ナック「マイ・シャローナ」、そしてウェストコースト・ブームの終焉とロックンロール・リヴァイヴァル的なムーヴメントの中、ちょっと懐かしいサウンドの曲が好まれたということで、J.D.サウザー「ユア・オンリー・ロンリー」とカーラ・ボノフ「涙に染めて Trouble Again」だ。お客様の反応は頗るよい。さらには黄金期に向けて上り調子のホール&オーツ「ウェイト・フォー・ミー」、メンバー・チェンジ後の大ヒット、ドゥービー・ブラザーズ「ホワット・ア・フール・ビリーブス」と続けた。そしてリクエストに応え、フリートウッド・マック「オーヴァー・アンド・オーヴァー」、バラード続きで、ビリー・ジョエル「オネスティ」ときた。

 

ここからは、元気な新興勢力をまとめてご紹介、まずはブロンディー「ハート・オブ・グラス」、デビュー年にアルバム2枚を大ヒットさせ、既にレディング・フェスのトリを務めたザ・ポリース「孤独のメッセージ」、コニー・プランクの音が苦手と言いつつメンバーの話題だけでもかけないわけには行かないザ・ツーリスツ「二人だけのデート I Only Want To Be With You」、同様にメンバーの紹介が重要なナイトの「ホット・サマー・ナイト」、そしてまだヘタだが勢いのある演奏が大好きなカーズ「燃える欲望 Just What I Needed」ときた。ここで今回から毎度ご参加いただいている某戸叶さんのコーナーを新設し、今回はブームタウン・ラッツ「アイ・ドント・ライク・マンデイズ」をご紹介いただいた。今後は毎回一曲ずつご紹介願うつもりでいる。

 

さて、がらっと雰囲気が変わるが、この時期AORブームというものも語らないわけにはいかない。デビュー曲がいきなりヒットしたリッキー・リー・ジョーンズ「恋するチャック」、ハート型のレコードが懐かしいボビー・コールドウェル「風のシルエット What You Won’t Do For Love」、CMでやたらと流れていたランディ・ヴァンウォーマー「アメリカン・モーニング Just When I Needed You Most」と続けた。

 

さらには、ジャジーな曲もということでクルセイダーズの「ストリート・ライフ」もかけたかったが、11分超という時間の問題で割愛、ハーブ・アルパートの「ライズ」を紹介することにした。ハーブ・アルパートは1960年代に人気があったティファナ・ブラスの時期の曲も数秒ずつかけて、変貌ぶりが凄かったということにも触れた。エイブ・ラボリエルのベースが格好良い。実はこの2枚、面白い関係にある。昔から不思議に思っていたのだが、クルセイダーズのアルバム「ストリート・ライフ」は197912月のリリース、ハーブ・アルパートの「ライズ」は19799月にリリースされた。このヒット・アルバム「ライズ」にも「ストリート・ライフ」のカヴァーが収録されているのだが、時系列的におかしいではないか。

 

さて、この年、サントラ的に面白い映画はないと言っても過言ではない。映画音楽は割愛させていただいて、邦楽はYMO「テクノポリス」、テクノポップのピコピコした軽い音をイメージしてしまうが、大音量で聴くと意外なほどベース音が前面に出ていて、ただ者ではない感が堪らない。またこの時期に至り、自分はブラック・ミュージックからは遠ざかってしまっていた。あえて語ることはしない旨を告げて、シック「グッド・タイムス」、マイケル・ジャクソン「今夜はドント・ストップ」、アース・ウィンド&ファイヤー「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」、エイミー・スチュワート「ノック・オン・ウッド」の4曲を紹介するだけにとどめておいた。

 

ここで、ストーリーを展開しやすいように分類してかけることを終了し、残りの時間はロックな時代の代表曲を続けてかけることにした。まずはアイドル・グループに擬態していたザ・ベイビーズ「エヴリー・タイム・アイ・シンク・オブ・ユー」、翌年にはジョン・ボーナムを失ってしまうレッド・ツェッペリン「フール・イン・ザ・レイン」、新ヴォーカル、グラハム・ボネットが格好良い「シンス・ユー・ビン・ゴーン」、作者ラス・バラードもしっかり紹介しておいた。クイーン「ファット・ボトムド・ガール」バッド・カンパニー「ロックン・ロール・ファンタジー」、キッス「ラヴィン・ユー・ベイビー」、エアロスミス「チキータ」、ヴァン・ヘイレン「ダンス・ザ・ナイト・アウェイ」、フォリナー「ホット・ブラッデッド」ときたところで時間切れ、最終曲は時代の先駆け、バグルス「ラジオ・スターの悲劇」と決めていた。いやあ、楽しかった!!

 


   

         
 Links : GINGER.TOKYO  saramawashi.com  Facebook  
 Mail to :  takayama@saramawashi.com     
 Sorry, it's Japanese Sight & All Rights Reserved.