0209 探し物は2019.04.07.

カフェの名前にもなっているジンジャー君が調子悪そうで心配だ。今月で17歳になる爺さんは、全盛期は13kgもあった巨猫である。自身の体重を支えることもシンドイようで、歩くのもやっとといった様子だが、食欲は衰えないのでまだまだ大丈夫だろう。寒い時期は一緒にベッドで寝ているのだが、先日ベッドから下りるときに失敗したようで前脚をいためてしまった。自宅の中は普段からペットシーツがあちこちに敷いてあり、定位置であるソファに上がるために階段も設置してあり、完全お猫仕様となっているが、果たしていつまでこの生活が続けられるやら。雄猫で17歳は相当高齢だと思うが、せいぜい長生きしてもらいたいものだ。犬猫などのペットは家族も同然と言うが、17年も一緒に暮らしていると、自分にとっては家族以上の存在となってしまったようで、調子悪そうにしていられると実に落ち着かない。

 

かく言う自分自身も激務の日々が続いており、不調が続いている。以前狭心症と診断されたときと同じような症状が出ているので、そろそろペースダウンしないとまずいことになりそうだ。こんなときは、すべてにおいて調子が狂うようで、クルマまでバッテリー上がりらしく、今朝ほどディーラーに運ばれていってしまったし、PCもやたらと誤動作するようになってしまい、イマイチなのである。こんな状態の週末は、思い切って気分転換に徹した方がいいことは分かっているのだが、翌日以降のことを考えるとなかなかそうも言ってはいられない。地味にレコード整理などをしながら仕込み作業をしたり、影響が出ないようにして息抜きをしている。

 

まもなくトークイベントを再開することもあり、準備も兼ねてレコード整理をしていたら、次から次へと探し物が見つかった。LPレコードはファミリー・ネームのABC順に並べてあるので意外に探し易いのだが、7インチは背文字があるわけでなし、ファミリー・ネーム順に並べてあっても見失うことが多い。手にとって見た後に元の位置に戻さないお客様もいらっしゃるからしょうがないのだが、しょっちゅう探し物をしている。ストックもファミリー・ネーム順に並べてみて、ようやく有るべきものが無いことに気がつく始末で、自分自身の管理能力の低さに呆れるばかりである。23分でも時間があればレコード整理をするようにしているが、集中してないと不思議なほど探しているものを見つけられない。

 

自分の場合、子どもの頃から将来的にレコードを集めるという意思があったので、頑張ってLPレコードを買うようにしていた。そのせいもあって、7インチは随分後になってから集め始めたのである。最初に買ったLPT.REXの「The Slider」だったことは何度も書いているが、このアルバムには「テレグラム・サム」と「メタル・グルー」という2つの大ヒット曲が収録されていた。若い頃は、アルバムがあればシングル盤は不要というスタンスでいたが、少し余裕が出てきた頃、このあたりの7インチ盤を購入したのがキッカケで、今のように結構なコレクションを築くことになるのである。

 

1972年から73年頃、絶頂期のT.REXは8曲連続No.1という言われ方をした。「ゲット・イット・オン」から始まり、(実はこの次に中ヒットの「ジープスター」をはさんでいる)続いて前述の2曲がヒットした。その後「チルドレン・オヴ・ザ・リヴォルーション」「イージー・アクション」20センチュリー・ボーイ」「ザ・グルーバー」「トラック・オン」と立て続けにヒットするのだが、これらの曲はみなシングルのみのリリースで、アルバムからのシングル・カットではない。

 

その後リリースされた「グレーテスト・ヒッツ」にほぼほぼ収録されることになるこれらのヒット曲は、時代を色濃く反映しており、グラムロックのアイコンとしてのT.REXの魅力を物語ることになる。しかし、残念ながらよくある移籍の問題からか、当の「グレーテスト・ヒッツ」には「ゲット・イット・オン」が収録されていないので、中途半端な印象は拭えない。面白いのは中古レコードの動向で、7インチ盤の市場には極端な傾向がある。「チルドレン・オヴ・ザ・リヴォルーション」と「イージー・アクション」の2曲は豊富な玉数があり価格も安定している。加えて「ザ・スライダー」に収録された「テレグラム・サム」と「メタル・グルー」の2曲も意外に出回っている。ところが、それ以外はほとんど見かけることがないのだ。「ゲット・イット・オン」はポリドール系と東芝系の両方が存在するが、まず見かけない。「ザ・グルーバー」と「トラック・オン」は、たまに見かけるが、結構高値となっている。

 

面白いのは「20センチュリー・ボーイ」で、これまた非常にレア・アイテムとなっている。この来日中に録音されたT.REXの代表曲は、1992年にブラッド・ピットが出演したLevisのジーンズのTVコマーシャルで使われ、世界的にリヴァイヴァル・ヒットしてしまう。そのせいか、同曲の7インチ盤はほとんど市場から姿を消してしまったのだ。2006年にデフ・レパードがカヴァーしたことでさらに再評価されたこともあり、今となっては幻盤のような状況なのである。センス一発とも言えるグラムロックのアイコンは、ライヴで評価されるアメリカでは人気がなく、この曲も全く売れていないが、英国をはじめとしたヨーロッパや日本では、いまだにカルトな人気がある。実はこれらT.REXのシングル盤が散逸していたのだが、少し時間をかけて探しまわった結果、ようやく9枚(「ゲット・イット・オン」2種を含む)が揃ったのである。よしよし。

 

 


   

         
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