0216 ロケットマン(2019.05.26.

昨年公開されたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」は社会現象的な大ヒットだった。つれあいの好きなクイーンの映画でもあるから、当然行った、観たと言いたいところだが、まだ観ていない。昨年11月ごろから今年の春まで、毎日のようにクイーンの曲のリクエストが入り、食傷気味だったことも事実だが、映画館まで足を運んでおいて、時間的に折り合わず観れなかったこともあって、思い切り挫けたのである。結果DVDで済ますかということになってしまったが、いまだに買ってもいない。縁が無いというのはこういうものかとあらためて認識した。自分の場合、クイーンに関しては、初期のハードロックが好きなだけで、フレディ・マーキュリーの個性が前面に出た楽曲は好みではない。言ってみれば、ブライアン・メイのハードロック・ギターとロジャー・テイラーの重たいドラムスが好きで聴いてきたバンドなので、正直なところスルーでも構わないのである。

 

さて、こんどはエルトン・ジョンの半生を描いた映画「ロケットマン」が8月に公開されるという。むしろ問題なのはこちらだ。ド派手なメガネをかけたピアニスト、エルトン・ジョンという人間がどれほど好きかというと、正直なところよく分からないが、彼の楽曲は相当好きと言える。キャロル・キングの「イッツ・トゥ・レイト」とエルトン・ジョンの「僕の歌は君の歌 Your Songは、日によって入れ替わる程度に好きなマイ・フェイヴァリット・ソングである。下町音楽夜話でこれまでに取り上げた回数でいくと、おそらく最も多いのがエルトン・ジョンだろう。音楽を聴き始めた頃、それこそ立て続けにラジオから流れていたし、アルバムを連発してくれたおかげで次から次へとシングル・ヒットも出て、常に身近な存在だったように思う。

 

とにかく残念なのが、エルトン・ジョンに関してはまずベスト盤を買ってしまったことである。シングル・ヒットが続いたもので、オリジナル・アルバムをどれか買うというよりも、まずベスト盤に目が行ってしまったのだ。勿論後々すべてのアルバムは買い揃え、「僕の歌は君の歌」が収録された2枚目のアルバム「僕の歌は君の歌 Elton John」は予備も含め何枚も持っている。オリジナル盤や再発盤、CDCDのデラックス盤などいろいろあるが、残念ながら7インチ盤・シングルは持っていないのである。どうせなら状態のいいものを手に入れたいという思いもあり、そのうち手に入るだろうと意識し始めて30年以上経つわけで、まことに残念なことになっているのである。

 

ついでに言えば、ビリー・ジョエルの「ピアノマン」も未入手であり、この2枚が揃わない限り、自分のコレクションは終わらないと思っている。如何せん非常にシングル・ヒットが多い2人であり、7インチ盤も大量に所有しているが、両者とも最も好きな曲が欠けているのである。7インチ盤専門店をやっているということは、当然ながらコレクションを切り売りしているわけで、自分は自分のことをコレクターとは思っていないが、コレクターではないにしても、あるアーティストの最も好きな曲が手に入らないというのはなかなか悲しいというか悔しいものなのである。

 

8月に公開される「ロケットマン」でエルトン・ジョンを演じているのはタロン・エガートンという人物である。フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックは結果的にアカデミー賞まで手にするが、さてこちらはどうなるのだろうか。既に亡くなっているフレディを演じることと、存命のエルトン・ジョンを演じることの難しさは、こちらの方がやり難かったのではなかろうか?アドバイスも受けたりできただろうが、現在を知ってしまっている身で、最も勢いのあった全盛期のエルトン・ジョンを演じ切るのはなかなか大変な作業だったのではなかろうか、などと大きなお世話的な目で見ている。エルトン・ジョンとタロン・エガートンが共演した「ラブ・ミー・アゲイン」はなかなかいい曲で、期待させたれる。監督はデクスター・フレッチャーということで、どちらの作品も同じ監督さんである。公開前から評判がいい点は「ボヘミアン・ラプソディー」と大違いだが、果たして柳の下にドジョウはいるものか。

 

エルトン・ジョンの7インチ・シングルを並べてみると意外なことに気が付く。1971年から76年頃の全盛期に大ヒット曲が集中してリリースされるが、これらの曲の大半はオリジナル・アルバムからのシングル・カット、もしくはサントラ盤からのシングル・カットである。ところが、B面曲の多くはアルバム未収録曲なのである。ビートルズもそうだったが、ファンにダブり買いさせないためと言う理由らしい。シングル盤を買わないとコレクションが完成しないことに賛否両論ありそうだが、ベスト盤が売れるようにするためなら、ビートルズのようにA面曲もアルバムに収録しない方が効果的だろう。またウェブで検索できるディスコグラフィーでは一曲重要なシングルが漏れている。「麗しのアモリーナ Amoreena」はアル・パチーノ主演映画「狼たちの午後」の主題歌として扱われる曲で、アルバム「エルトン・ジョン3 Tumbleweed Connection」にも収録されている曲である。こちらの邦題は「過ぎし日のアモリーナ」となっている。エルトン・ジョンほどのビッグ・ネームですらこういうことが起きるのである。また、いまだにウェブの情報はあてにならないことの証でもある。

 

 


   

         
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