0245 1970年代のロックが中心です」(2019.12.15.

昨夜は毎年恒例のGINGER PARTYが開催された。普段は自分がオススメする曲を一方的にかけるイベントをやっているわけだが、この日ばかりは常連さんが各自オススメする曲をかける。昨年はジョン・レノンの命日に開催したため、ジョン・レノン推しでくるかと思いきや、かなりディープな内容で楽しめたと記されているが、今年もディープな内容だった…のだろう。今年は面白いことに、皆さん日本人推しできており、まさかのカブリが初めて生じた。また「自分の一番好きな曲だ」という声が聞こえてきたりもしたので、これまでほどは凝った選曲ではなかったとも言えるだろうか。

 

正直なところ、自分が持っているレコードなどは3曲しか出てこないという結果となり、してやられたということになった。ハッキリ言って日本人はほとんどないに近い自分のコレクションなので、当然といえば当然だ。それでもカルメン・マキ&OZあたりは知っているし、好きだから嬉しかった。他はベビーメタルやB’zなど知ってはいてもちゃんと聴いたことがないもの、そして全く知らないミュージシャンを4時間近く聞かされることとなった。当然皆さんが推薦する曲なのでいい曲ばかりだ。毎度このパーティが終わるとGoogleで検索しまくることとなる。皆さん、恐れ入りました。

 

とにかく、最近は音楽好きが集まるカフェという個性はしっかり維持している。月3回のペースで、かなりディープな音楽イベントも開催しているので当然ともいえるが、如何せん集まってくる面々が凄い。皆さん異様に詳しい。あらためて自分自身が「浅く、広く」といった性向であるということを認識させられる。会話の中で、皆さん普通以上お詳しいことが判る一方で、必ずと言っていいほど専門分野を持っていらっしゃるのだ。特定のミュージシャンに関しては誰にも負けない程の知識があったり、特定のジャンルの専門家的な造詣の深さを垣間見せてきたりする。そういう意味では、ただ者ではない人間が集う場となっているようだ。

 

そもそも好き者はお互いを尊重する。匂いで分かるという言い方をするが、詳しそうだなという雰囲気がオーラのように立ち上がっている。そういった好き者同士の会話は非常に面白い。探りを入れてくる面もあれば、情報を得ようと正直に訊いてくることもある。そこまでには少々時間を要するが、お互い相手が普通以上に詳しいなと判ってからは、かなり親しい間柄のようにディープな話題に入って行ける。カフェのスタッフなどには、「音楽好きは直ぐに仲良くなってしまう」といった言い方をするが、そこで交わされる会話は一筋縄では行かない内容なのである。そして意外なほど「浅く、広く」という人間は少ない。せいぜいで「ビルボードの年間HOT100のコンプリートを目指している」などという方が、性向としては「浅く、広く」なのだろうが、当然ながらただ者ではない。いったい何年から何年の話なのか、聞き返す気もしなくなる。これまでにお二人いらしたが、お二人ともウチのコレクションを面白がっていただけたし、嬉々としてお買い上げいただいた。

 

さて、年末進行の中、体調が思わしくないこともあり、不機嫌な日々が続いており、周囲に申し訳ないことになっているが、こんな時は淡々と目の前にある作業を片付けていくしかない。年末調整関連の作業が終わったといってひと段落する間もなく、一月以降のイベントに関する打合せが続く。お国の某機関の勉強会的なものまで対応しているのである。加えて再来年の一月の壁面まで押さえられてしまった。それまで頑張らないとというモチベーションにはなるが、果たしてそこまで生きていられるか自信がない。一方でレコードの整理も精力的にやっている。師走は意外に時間があるのだ。売上げが驚くほど凹む月でもあり、営業時間中にいろいろ作業ができる。オーディオ周りがどんどん片付いていくので気分はよいが、未整理のレコードを片付けるにはそれなりの収蔵スペースが必要なのは当然である。結果として、何かをまとめて仕舞うなり、自宅に持ち帰るなりしないといけない。

 

結果として、1970年代80年代の古いロックが中心という常套句を具現化すべく、21世紀の新しいものやジャズは少し持ち帰ることとした。カフェの雰囲気に合いそうなノラ・ジョーンズやロバート・グラスパーなどの一部は置いておきたいが、大事なWilcoのアルバムやジャムバンド的なものは持ち帰ることとした。自分は性格的にごちゃっとした空間が好きなので、今のままでも問題ないという気もしているが、聴きたいときに見つけられないということは避けたいのだ。売り物の7インチ盤ももう少しスペースが欲しい。ストックとして仕舞ってあるものが溢れており、実に始末が悪いのだ。どのみち古い時代の音楽を聴かせるイベントばかりやっているのだ。「こんな新しいものもありますぜ」的なブツは必要あるまい。地味に商品の入れ替えをしながら、「1970年代のロックが中心です」という個性を徐々に強めているのである。

 


   

         
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