0260 イベント準備は…(2020.03.31.

まったくもってコロナウィルスの感染拡大の影響がこれほど出てくるとは、見込みが甘かったかもしれない。近い将来、こうなるかもしれないということは漠々と考えていたが、自分の店でも諸々の対応を迫られることになることが具体的にイメージできていなかった。営業時間の短縮は致し方ない。いつ全飲食店の営業自粛になってもおかしくないのかもしれないが、そうならないことを祈るばかりだ。さいわいレイアウトにかなり余裕があるカフェなので、一層ゆとりをもったレイアウトに変更し、混雑時でも無理に詰め込まないという方針であれば、3密は楽勝でクリアできるが、それでも外食はダメと言われれば仕方がない。まったくもって、こんなことになるとは…。

 

とにもかくにも、冷静かつ慎重に、粛々と日々を過ごし、ウィルスを媒介することがないよう、できるだけ他人様との接触を避けて大人しくしているしかない。以前よりも時間に余裕ができたことはたしかで、既に告知してしまったイベントに関しては、粛々と準備を進めている。音楽イベントとはいえ、集団感染の原因になるようなものでもない。通常と変わらない飲食のBGMのボリュームが少々大きくなって、うんちくが聞えてくるというだけなのだ。これを中止にしろと言われるおぼえはないが、こんな情勢下、無理に開催する気にもなれない。一週間前には決断しなければいけないだろうが、それまで準備だけはしておこう。

 

とにかくテーマがカントリー寄りのアメリカン・ロックなので、自分の非常に好きな分野であるにもかかわらず、あまり店では流していない分野なのである。1970年代のイーグルスやポコ、フライング・ブリトーズやニッティ・グリッティといったあたりを想定していただければどんな音かは想像できるだろうが、それだけではウチのイベントの常連さんが納得するはずもない。デルタ・ブルースとの関連性なども踏まえ、現代の状況やアナログの衰退、CDの衰退、そしてYouTubeなどを活用したプロモーションの一般化などがこの分野に与えた影響などを、見えるかたちで提示しなければ満足してもらえないだろう。自分自身がレベルを引き上げてきてしまったのだから仕方がないが、音楽業界に関わっていらっしゃるプロの方も含め、毎度満足していただけるものにしてはいるつもりなのだ。

 

70年代の音源に関しては、コマンダー・コディのバンドにニコレット・ラーソンがフィーチャーされているときの音源や、意外なメンツが揃っている音源など、意外性を追求してみようと思う。正直なところ、イーグルスのメンバーのソロを紹介するだけでも一時間やそこらはかかってしまうので、有名どころは極力避けようとしている。ただ、ウチのカフェにはその手の音源があるということが知れた原因は、J.D.サウザーとグレン・フライの「ロング・ブランチ、ペニー・ホイッスル」なのでその辺は外せないだろうし、そういう意味ではカントリー寄りの路線を歩んだランディ・マイズナーあたりは紹介したいのだ。結局選曲で悩むことには変わりない。

 

インターネットの時代になって、さらにCDの衰退とともに産業構造そのものが大きく変わってしまった音楽業界において、最近の若いミュージシャンには多くの注目株がいる。テコ入れ後のギブソン社がプッシュしているミュージシャンあたりを手繰っていくと、最近のカントリー寄りロックの現状が見えて面白い。とりわけYouTubeで展開されている若手ミュージシャンの発信のクオリティは猛烈なので、この辺の話題が中心にならざるを得ないだろう。従って「アナログ・レコードでお聞かせする」という部分は今回前面に出していない。諸々のメディアを駆使してご紹介することになっているのである。

 

何はともあれ、いろいろなハコやラジオ局が仕掛けているチャンネルには要注目の若手が多く登場する。そろそろベテランの域に入ってくるかもしれないルーサー・ディッキンソン率いるノース・ミシシッピー・オールスターズあたりを中心にした業界関連図を作っていくといろいろ見えてくるのだろうが、現地にいるわけではないので、細かいところまでは分からない。それでもネット上に展開される関連音源を辿っていくだけで、数年は楽しめそうな情報量だ。オールマン・ブラザース・バンドのギタリスト2人、つまりデレク・トラックスとウォーレン・ヘインズは大量のライヴ音源が楽しめるし、ウォーレン・ヘインズ主宰のジャムバンド、ガヴァメント・ミュールも楽しい。ジャムっているルーサー・ディッキンソンやジョン・スコフィールドなども観られ、楽しみは尽きない。

 

また凄い女性ギタリストたちもいる。ルーサー・ディッキンソンがプロデュースした盤もあるサマンサ・フィッシュのギター・テクは猛烈だし、彼女が書く曲も素晴らしい。ローヴェル姉妹のラーキン・ポーというユニットも、デルタ・ブルースをさらっと決めてみせたり、ブルースが下敷きにある曲のいずれもが素晴らしいので、彼女らの活動からは目が離せない。ラーキン・ポーは4月にはDuo Music Exchangeでの 来日公演が予定されていたが、残念ながらキャンセルとなってしまった。全くもって、恨めしいことこの上ない。とにかく何でもいい、コロナ騒ぎよ早く収束してくれ。

 


   

         
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