0262 今できること、今やるべきこと(2020.04.13.

とりあえず店の営業を一週間自粛してみることにした。新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を国が出したのが47日、東京都が410日に休業要請の内容を明らかにし、11日から実施となった。飲食店は朝5時から夜の8時までは営業してもよいという。酒類の提供は夜7時までとすることを求めている。この要請に全面的に協力する中小企業に対し「感染拡大防止協力金」として一事業者に50万円をくれるという。「生活必需品等を販売する店舗への休業要請は行っていないので、買いだめなどは厳に慎んで頂きたい」ともいう。国の中小企業支援施策はいずれも中途半端で、自分が該当するものは一つもなさそうだ。せめて東京都の協力要請には従ってとせざるを得ず、11日以降は休業となってしまった。焼け石に水程度の50万円欲しさみたいになってしまったが、如何せん国の支援はあてにならない。1月以降の売上減に対して補填するという部分も前年同月比で50%以上ダウンしていなければ対象にならない。2月までは目いっぱい頑張っていたので、前年同月よりは上回っている。3月から売上が減少し始め、4月はもうほとんどなくなってしまったといった場合、どういう扱いになるのかすらよく分からないが、つまり国は支出を抑えたいのだろう。お話しにならない。

 

とにかくスタッフの安全も考えると休業はやむを得ない。ただ一方でスタッフの収入も確保してあげたいという考えもあり、中途半端に営業を続けていたわけだが、この間に感染していないことを祈るばかりだ。感染してしまっては収入云々以前の問題になってしまう。潜伏期間が長いというところがミソで、自分が加害者にもなり兼ねない状況から、外出自粛が叫ばれているのに、マスクもせずにうろついている輩は多いし、公共交通機関の中でも大勢見かけるのだから危機感に乏しい国と言われても仕方がない。まずは我が身と家族を守り、スタッフを守らなければいけない。収入補填はそれからでもいいではないか。一定の社会的な生活が維持できる態勢は有り難いが、反面感染の可能性は最小限ではないので、怖さは拭えない。全くすべてが中途半端な気がしてならない。

 

自粛休業初日は、本来村田活彦さんとカワグチタケシさんのお二人による「同行二人 #言葉とともに」という、ポエトリー・リーディングのイベントが開催される予定だった。残念ながらこれは無観客配信ライブとなってしまったが、お店から配信するので夕方に出てきて立ち合いだけになってしまった。それでも、こういった試みは面白いと思う。現状を嘆いてばかりいるのではなく、では何ができるか、何をすれば喜ばれるかを考えた末の決断だろう。全面的に支持したい。店の壁面は佐久間真人さんのイラスト展「言葉とともに」が連動して開催されており、ポストカードの販売等も行っている。こちらはぜひとも間近で見ていただきたい素晴らしい内容なので、期間を延長してでも、何とかしたいと思う。誰かが言っていたが、非常時となるとアートに関する出費というのは真っ先に切られる、それでも非常時が長くなるとアートに頼ることになる。音楽を聴いたり読書をしたりすることで冷静でいられる自分のような人間は、非常時でなくともアートに頼りっきりだが、食っていけなくなるアーティストが増えることを何とか食い止めねばロクでもない世の中になってしまうのではないか。

 

さて、どうしてもコロナ関連のニュースなどが気になり、そういった情報ばかり見て時間が過ぎてしまうが、これではいけないと何度も反省している。とにかく自粛中に自分ができることを冷静に考え、今何をすべきかということを見極めようと苦労している。まずは全く出勤を止められる気配もない公務員であるつれあいの全面的バックアップは必須だろう。せめて家事はすべてまかせておけというくらいしかできないが、DVが増えているだのというニュースを耳にしたりもするので、とにかく冷静さを保つことが大前提だ。

 

次に飲食店の営業がストップしているからといって、手をこまねいていてもいけない。ではテイクアウトでもやるかと言われれば、こればかりはノーだ。ヴィーガン対応やアレルギー対応で苦労してきたこともあり、原材料やアレルゲンの表記をはじめとした賞味期限の設定や加熱方法の指示書きなど簡単な話ではないことは身に染みている。こういった部分をすっとばしておいてテイクアウトを実施することはとてもできない。そもそも営業許可の形態が違うので、法規的にまずかろう。食中毒などやらかしてしまった日には、保険適用などの問題も考えると恐ろしくてできない。

 

では何か他にできることはないか?前回も書いたが、やはりWeb通販だろうか。レコードの販売に関しては、本来お店に遊びに来て欲しいからということで、通販はやらない方針できた。しかし、お店にこれないのであれば、やはりオークション出品か通販サイトに載せるかしてみるかとなる。こういう非常事態だけに、代替手法を可能な限り試してみることが求められると思うべきだ。自分が売上を維持したいとかいうことではなく、お客様が楽しめる方法を突き詰めていくと、できるだけ盤の情報を多く掲載できるかたちで販売したほうが楽しめるだろう。さてそうなると、…やはりあそこかな。せっかくまとまった時間が降ってきたのだ。時間がかかるからと諦めていたことにトライしてみよう。

 


   

         
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