0264 45rpm.tokyo on the web2020.04.26.

「清澄白河のカフェGINGER.TOKYOは、昼はカフェめし屋、夜はアルコールも楽しめるヴァイナル・カフェとなる」、という表現は最新知った。要は自分の言葉ではないので「そんなものかな」という、何とも言えない違和感がある。とにかく、ランチタイムは結構混むわけで、昼はカフェめし屋という部分は間違いなかろう。一方でカフェのくせして、おやつの時間、つまり3時台はガラガラなので、典型的なカフェでないことも確かだ。ましてや、清澄白河にあるからと言って、決してコーヒー屋ではない。何度も書いているが、決してコーヒー屋ではない。問題は「ヴァイナル・カフェ」という部分だが、アナログ・レコードを時々かけていればそう呼んでもらえるのか?トークイベントをはじめとして、アナログ・レコードでいろいろ楽しむ工夫を仕掛けている自負はある。

 

そもそも、経営者が飲食店を経営している意識が薄いのだ。本来の目的が違うのだ。開店当初はレコードすら持ち込むつもりもなかったが、やはり「音楽好きが集まれるイベント・スペースのような空間を作りたい」という考えと、「せっかくなら美味しいものを飲み食いできる方がいいよね」という考えが根底にあるのだ。結果として1年遅れたが、古物商の免許も取得して、ショップ・イン・ショップ形式でレコード屋もオープンさせた。ついでに本屋もやっている。売上的には全体の3%かもしれないが、実はこちらが主眼なのだ。新型コロナウィルスの影響で、売上がダウンするだろうということに備えて、7インチ盤専門店としてやっていたが、LPも販売するに至った。しかし感染拡大に伴い、緊急事態宣言も出て、店内で飲食する飲食店の営業自粛が避けられなくなってしまったために現在は休業中である。カフェが休業中であれば、レコードを見ることすらできない。何とか本業部分は再開できないかと思い、これまでずっと避けてきたウェブ通販を始めることにした。

 

7インチ盤を紹介するウェブサイト「www.45rpm.tokyo」では、「お店に遊びにきて欲しいから通販はやりません」とこれまで言い続けてきたが、そうも言っていられなくなってしまったという事情はご理解いただけるだろう。仕方がない、「45rpm.tokyo on the web」という屋上屋のようなネーミングで通販サイトを作ってみた。これまでのウェブサイトに通販機能を持たせることもできるのだが、そんなものにどれだけお客様が期待できるかという疑問もあり、通販サイトに乗っかる手法を模索していた。Amazonのマーケットプレイスで販売することも検討したが、一月4900円+1件いくらかなりの手数料がまず痛い。その手数料が問題ないと感じられるほど売れるとも思えないし、何だかルールがいろいろ厳しくて楽しめない。

 

大きな問題点の一つに見本盤を扱ってはいけないというルールがあるのだ。元々売り物ではないサンプルを販売するというのは、他の商品なら当然じゃないかと思われる方も多いだろうが、ことアナログ・レコードの世界では、見本盤はそれなりに流通もしているし、人気のある商品なのである。レコード会社の人間や放送局をはじめとしたメディアの関係者に配られた見本盤は、当然ながら初回プレスなので、確実に音がいいのである。「音楽業界の人というレコードの扱いをよく知っている人たちの手に渡ったものだから状態がいい」という向きもあるが、これは個人差があるので同意できない。少なくともレンタル落ちやべったりシールが貼ってあるような局使用盤よりはましといったところだ。自分も中古盤店に流出している見本盤を随分多く買っている。これが扱えないのであれば、やはり厳しい。

 

仕方なくクラウド系のサービスをいろいろ当たってみると、どうもBASEというものの評判がよい。これにするかと半分諦め気分でアカウント登録して設定を進めていたら、周辺でBASEを使った通販サイトを始める人間が何人も出てきた。期間限定の某レコード店も、中止にせざるを得ない古本市を一日限定の通販サイトでやるという試みも、いずれもBASEだという。もうこれでは、「BASEでいいからさっさとやれ」と言われているようなものだ。

 

「新型コロナウィルスの騒ぎが収まれば終了させるべきかどうか」という部分も悩ましいところだ。いざカフェを再開したら、ウェブ通販が忙しくて手が回らない…などということはあり得ないだろうが、ポスト・コロナ、ウィズ・コロナの世界を考えると、空間をシェアする方向性は避けるべきということになるのだろう。せっかく音楽好きが集まれるハコとして作ったのに、集まるなと言われるのであれば、通販機能は今後も残していくべきではなかろうかとも思う。もともと3密ではない空間だけに、やめる気は今のところないが、世の流れというか、ものごとの方向性としては避けられないような気もしているのである。そんなわけで、オープン時点である程度の枚数が掲載されてないとまずいと考え、急遽猛烈なペースで入力作業をやっているというわけだ。

 

まずはイーグルスを数枚入力してレイアウト・デザインの確認をし、カテゴリーなどの動作確認をするため、最近人気のジャズものを入力してみた。アメリカとイギリスは分類しておきたい。掲載情報もどこまで入力するか案外悩ましい。外出自粛で時間がたっぷりあるなどと考えていたが、とんでもなく忙しいおもいをしている。とりあえず100枚ほど入力してみたが、もう肩が凝り凝りだ。相変わらず時間の使い方が下手な人間であることには変わりないが、とにかくもう少し情報を増やしたい。今しばらくお待ちを。「45rpm.tokyo on the web」、間もなく開業いたします。

 


   

         
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